南極から考える地球の未来

南極は地球にとってなぜ大切なのか?

南極大陸の97%以上の面積めんせきをおおっている氷床ひょうしょうあつさは、約2200mもあります。
地球の温暖化おんだんかで、南極の氷が全てとけてしまうとどうなってしまうのでしょうか?
私たちの生活に影響えいきょうがあるのでしょうか?考えてみましょう。

海面の高さが〇〇m上がる!?

なんと、地球の海面の高さは約60mも上がってしまうといいます。(150cmの人だと、40人分の高さですね。)
すぐに全ての氷がとけることはありませんが、すでに、南極の一部の地域ではかく実に氷がっています。るいにとって大変重要な問題です。科学者はその原いんと今後の動向をさぐっています。
ぼう大な氷床をもつ南極は、地球のクーラーの役目もしていて、地球の気候きこうに大きな影響をあたえています

南極の氷は地球を冷やすクーラーの役割も


南極は未来をひもとくための重要な地域

人類が住んでいなかった南極ですが、地球の過去かこや現在、未来をひもとくためには重要な地域です。 特に地球環境かんきょうの変化が大きな問題となっている現在、南極や北極のような極地では、ほかの地域に比べていち早く環境変動の影響が現れます。 各国がもうけている観そく基地や無人観測点で日々得え られる観測データは世界の気象の解せきや人工衛星じんこうえいせい軌道きどう計算、地殻変動ちかくへんどう解析かいせきなどに役立てられています。


南極にねむる豊富ほうふな地下資源しげん!?

また、南極大陸の氷の下には豊富な地下資源がねむっています。周囲の海にもぼう大な生物資源や鉱物こうぶつ・エネルギー資源があると考えられています。 現在、これらの開発は、南極条約じょうやくきんじられていますが、未来の人類のために科学的な情報じょうほうておくことは大事なことです。

南極だからできる観測や研究

その他にも、南極だからできる観測や研究というものもあります。 たとえば、南極の露岩ろがん地域を歩きまわり、岩石の種類やでき方を調べて、地球の成り立ちを研究することをしています。 極地域で見られるオーロラの研究や、大気がきれいで晴天の日が多い南極大陸の高地での天文の研究なども行っています。 南極の研究は、地球の未来を予測することだけでなく、宇宙うちゅうへ開かれた観測のまどにもなっています。


昭和基地で撮影されたオーロラ


【白石 和行(しらいしかずゆき)・国立極地研究所 名誉教授】

覚えておこう
  • 南極大陸
  • 南極大陸の面せきは1392万㎢。日本の約37倍にもなります。 南極の氷床ひょうしょうの体積は、約2692万㎦で、地球上の氷の約90%に相当し、氷をふくめたたん水の約70%を占めています。 南極大陸のひょう高は平均1937メートルと、世界の大陸の中でもっとも高い大陸ですが、あつい氷床がのっているため、 地面がおし下げられて地面が海面より低い地域も広がっています。


考えてみよう・調べてみよう
  • 南極の氷床がとけている・・?
  • 海面の高さは世界各国の海岸で観測されています。1901年から2010年の間に世界の平均水位は19cmも上昇じょうしょうしたことが分かりました。 その主な原因の一つに、南極やグリーンランドの氷床がとけていることがあげられます。もし、将来、南極氷床が大きぼにとけて海面がさらに上昇したら、 わたしたちの生活にどのような影響があるでしょうか。
  • 南極の氷はあと何年でとけてしまう?
  • 南極大陸はどうやってできた?
  • 南極大陸と地球温暖化の関係を探るために、南極がどうやってできたのか確認してみよう!恐竜もいたって本当!?
  • 【歴史から学ぶ】南極から考える地球の未来
  • 日本の観測基地を調べてみよう
  • 日本の観測基地はどんなものがあるかな?それぞれの役割なども調べてみよう!
    日本の観測基地(国立極地研究所)

もっとくわしく調べてみよう

Copyright © 公益財団法人日本極地研究振興会