地球温暖化とは

なぜ極地では、温暖化の影響がより早くでるのだろう?

みなさんは、なぜ地球温暖化ちきゅうおんだんかが起きるのか考えたことはありますか?
実は、南極・北極の極地では世界の平均に比べ2~3倍の速さで温暖化が進んでいます。
それはいったいなぜでしょう? 地球温暖化のしくみを通して、考えてみましょう。

地球温暖化とは

人間活動が活発になったり人口が増加したりなどにより、二酸化炭素にさんかたんそなどの「温室効果おんしつこうかガス」が大気中に放出され 地球全体の平均気温へいきんきおんが高くなることを言います。図1を見てもわかる通り、世界の平均気温は上昇しています。

暑がっている地球


ちなみに地球全体の地上気温の平均は約15℃です。この温度はどのようにして決まっているのでしょうか?
地球を暖めているエネルギーの99.7%は太陽からの放射ほうしゃ日射にっしゃ)です。地上温度は過去100年間で0.8℃ほどゆっくりと上昇じょうしょうしていますが、 ほぼ一定に保たれているのは地球が受け取る太陽からのエネルギーと同じ量のエネルギーを「赤外線放射」という形で宇宙へ放出しているからなのです。 (これを地球放射といいます)

図1:世界の平均気温の変化
出典)温室効果ガスインベントリオフィス/ 全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイトより


二酸化炭素は温かいの?

二酸化炭素などは温室効果ガスとばれますが、二酸化炭素自体が温かいわけではありません。 地球は太陽によって温められていますが、温められっぱなしだと地球はどんどん温まり灼熱地獄しゃくねつじごくになってしまいます。 そうならないのは、先ほど述べた通り、地球が赤外線という人間の目に見えない光を出して熱をがしているのです。
しかし温室効果ガスは、その赤外線を吸収し地球を温めてしまうのです。(地球をつつむ毛布のようなイメージです。)

※二酸化炭素などの温室効果ガスは、宇宙に放出されるはずだった赤外線エネルギーを吸収し、地上に向けて再放射さいほうしゃしていまいます。 ちなみに、「水蒸気すいじょうき」や「雲」も再放射を行います。

図2:地球温暖化のしくみ



なぜ南極・北極では温暖化が早く進むの?

さてここからが本題の「なぜ南極・北極では温暖化が早く進むのか」ですが、それはこれらの場所が雪や氷でおおわれた地域だからです。 では、なぜ雪や氷でおおわれていると早く温暖化が進んでしまうのでしょうか?
雪や氷が多いと太陽の光を多く反射してしまい地面が温まりにくいのですが、(温室効果ガスなどの影響えいきょうで)いったん雪や氷がとけてしまうと 太陽の光を反射しにくくなり、どんどん温まりとけやすくなってしまうのです。


どれくらい気温が上がっているの?

南極と北極で、より温暖化が進んでいるのはどちらだと思いますか? こたえは「北極」です。北極の平均気温はこの100年間で約2℃上昇じょうしょうしており、世界の平均と比べると約3倍となっています。 南極は北極に比べて温暖化の影響はまだ少ないですが、海に浮かんだ棚氷たなごおりはとけやすく流出がはじまっています。



太陽エネルギーの変化

地球温暖化の原因は、人間活動による温室効果ガスの増加ぞうかだけではありません。 太陽から出るエネルギーの量、火山活動、海洋循環じゅんかんの変化など様々な自然の原因があります。 とくに、太陽のエネルギーはいつも同じ量ではなく、変化しています。太陽活動の変化が地球温暖化にどのように影響を与えるのか、注目していく必要があります。



【日本極地研究振興会 事務局編集部】

---------------参考文献---------------
『南極・北極から学ぶ地球環境変動』P2.地球温暖化(山内恭)
『南極・北極から考える地球の未来』P17.地球温暖化とは(福西浩)

まめちしき
  • 地球が受け取る太陽のエネルギーの使い道
  • 地球の大気に入ってくる太陽(放射)エネルギーを100%とすると、8%は大気、7%は地表面、14.5%は雲で反射され、合計29.5%は宇宙空間ににげていきます。 残りの70.5%が大気と地表面を温めるエネルギーになります。これらは、最終的には赤外線によって宇宙空間へ放出されます。このバランスにより、気温が決まっているのですね。
  • 南極の氷がとけてしまうと・・・
  • 南極の氷が全てとけると、世界の海面は60m上昇じょうしょうすると計算されています。


考えてみよう
  • 私たちにできる地球温暖化対策とは何だろう?
  • 温室効果ガス、つまり二酸化炭素を減らすにはどうしたらいいかな?
  • なぜ南極より北極の方が温暖化が進んでいるのだろう?
  • ① 南極と北極の違いから考えてみよう
  • ➁ 赤外線を吸収するのは、二酸化炭素などの温室効果ガス以外にも「雲」や「水蒸気すいじょうき」もなのです。 「雲」ができるしくみを考えてみるといいですよ。


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