南極地域と北極地域は、科学の面だけでなく、経済活動や観光などでも世界の関心が高まっています。南極・北極での最近の新しい動きをわかりやすく伝えるために、『極地』を2016年9月号(通巻103号)から一般向けの「南極と北極の総合誌『極地』」にリニューアルしました。また、2017年3月号(通巻104号)からは、毎号「特集」ページを企画しています。極地の自然と環境、その中で展開される研究・教育活動を中心に、経済活動、環境保護活動、国際関係、生活、観光、冒険・探検、歴史、極地に関連した書籍や人物の紹介など幅広い情報を掲載しています。オールカラー印刷で、図や写真が豊富で、視覚的にも楽しめる雑誌です。
第60巻 第1号(通巻118号)
令和6年3月発行
今号では「南極観測における医療と医学研究」を特集企画しました。
南極は低温、限られた人数での文明圏からの隔離により、生活環境として過酷な面が多々あります。昭和基地でミッションを遂行する約30名の観測隊員にとって、ケガや病気になった場合に頼りになるのは医師であり、医療体制です。60年近く前には、急性虫垂炎の手術を通信室で行いました。現在の昭和基地の医療体制は、その頃と比べれば大きく進歩はしたものの、それでも医師が処置できる範囲は限られています。本企画では、昭和基地で越冬中の医師による現診療所や医療体制の紹介や、標高3810メートルでマイナス80度近くまで気温が下がるドームふじ基地で越冬した医師による、低酸素下での越冬の様子、医療体制等が紹介されています。また、10年間に及ぶ越冬隊員へのアンケートにより、越冬中に隊員達の心の中・感情がどう変化するか、越冬のストレスと身体についての論考も掲載しました。
この他、ジュニア会員用と銘打って連載している「極地への夢」も5回目を迎え、今号では南極観測隊員へとつながったお二人のユニークな道のりが披露されています。
※従来通り、メールでのお申込みも可能です。📧 info@kyokuchi.or.jp へご連絡くださいませ。