「極地」~南極と北極の総合誌~

kyokuchi

南極地域と北極地域は、科学の面だけでなく、経済活動や観光などでも世界の関心が高まっています。南極・北極での最近の新しい動きをわかりやすく伝えるために、『極地』を2016年9月号(通巻103号)から一般向けの「南極と北極の総合誌『極地』」にリニューアルしました。また、2017年3月号(通巻104号)からは、毎号「特集」ページを企画しています。極地の自然と環境、その中で展開される研究・教育活動を中心に、経済活動、環境保護活動、国際関係、生活、観光、冒険・探検、歴史、極地に関連した書籍や人物の紹介など幅広い情報を掲載しています。オールカラー印刷で、図や写真が豊富で、視覚的にも楽しめる雑誌です。

最新号 第58巻第1号(通巻114号)

令和4年3月発行

今号と次号の特集では南極の海を取り上げる。地球の表面の約7割を占める海。「海水中には(中略)陸上や大気中に存在する炭素に比べて数十倍も多い」炭素(そのほとんどが二酸化炭素)が存在している(川合、本特集)。また、海洋は太平洋から北極海といくつもの区域に分かれ、固有の海洋生態系が多様な生物種を育んでいるが、海はつながっている。南極の海は大気や南極氷床との相互作用を通して、地球規模の環境変化に大きな影響を与え、南極大陸の氷床が全て融けると、全世界の海水面が約60メートル上昇すると見積もられている。温暖化による氷床融解、海水面上昇は、海と接する国に等しく影響を与えるので、南極氷床の融解過程の研究は将来の人々の生活にとって極めて重要だ。一方、大気中の二酸化炭素濃度の増加は海水の酸性化をもたらし、低温のために二酸化炭素をより多く溶かしている南極の海で、より早く進み生態系に顕著な影響が現れる。将来の地球環境を予測する上で重要な南極の海の研究の最前線をご紹介する。

目次、試し読み