南極の氷はあと何年でとけてしまう?

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南極(なんきょく)(こおり)がすべてとけると、世界(せかい)海面(かいめん)(やく)60m上昇(じょうしょう)するといわれています。
身長(しんちょう)が150cmだと40人分の高さ(たかさ)、建物だと約20階分の高さだよ!)
どのくらいの年数でとけてしまうのか計算してみよう!

計算してみよう

気候(きこう)変動(へんどう)(かん)する政府間(せいふかん)パネル(IPCC(IPCC)(だい)5次評価(ひょうか)報告書(ほうこくしょ)の中で、(もっと)も温暖化が進んだモデルでは、2100年に海面(かいめん)現在(げんざい)よりも約84cm上昇すると予測(よそく)しています。年率(ねんりつ)(1年間で計算)では約1cm/年、上昇していることになります。

この年率で60m上昇するには・・・・

60m=6000cm で、1年間に1cm上昇するので・・・・(約)6000年かかることになります

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6000年なんてまだまだ先だから大丈夫?

現在の地球は(かん)氷期(ぴょうき)(気温の高い期間)にありますが、その前の氷河期(ひょうがき)(気温の低い期間)の最盛期(さいせいき)(約2万年前)では南極大陸と北半球(きたはんきゅう)高緯度(こういど)地域(ちいき)(ひょう)(しょう)発達(はったつ)し、海面(かいめん)は現在よりも約130m低下(ていか)していました。
氷河期の最盛期から間氷期の始まりまでの約1万年で海面は約130m上昇したことになります。年率では、約1.3cm/年の上昇になります。
現在の地球温暖化による海面上昇の予想は約1cm/年ですので、氷河期 から間氷期に移行する時の海面上昇に近い速さで進んでいることになります。

私たちにできることは

地球はわたしたち人間のものではありません。
地球を大切に守っていくために、わたしたちができることは何でしょう。みんなで考えてみましょう。

福西 浩(ふくにし ひろし)
福西 浩(ふくにし ひろし)

東北大学名誉教授、理学博士。東京大学理学部卒、同理学系大学院博士課程修了後、米国ベル 研究所、国立極地研究所を経て東北大学教授として宇宙空間物理学分野の発展に努める。南極観測隊に4度参加し、第22次隊夏隊長、第26次隊越冬隊長を務 める。2007年から4年間、日本学術振興会北京研究連絡センター長を務め、日中学術交流の発展に尽力する。