2019.01.232019年 年頭のご挨拶

2019年 年頭のご挨拶

 2019年の新春を迎えるに当り、本年の皆様の平安と新たなご発展を祈念し、ご挨拶を申し上げます。

昨年は、地震や異常な経路を辿った台風などにより、各地が自然災害を受け、気候や環境が地球規模で大きく変化していることを誰もが強く意識した年でした。最近の研究から、南極・北極地域では温暖化の進行が中低緯度地域に比べて速く、この地域の海氷や氷床の融解が地球全体に大きな影響を及ぼすことが分かってきました。極地は地球環境変動を知る敏感なセンサーの役割を担っており、この地域を調査研究することが地球の未来を考える上で必要不可欠になってきました。

極地はまた地球上に残された最後のフロンティアとして冒険家や研究者を惹きつけてきましたが、最近では小・中・高校の教員にもチャレンジの場となっています。そのきっかけを作ったのは当財団が国立極地研究所との共催で実施しています「教員南極派遣プログラム」です。毎年、このプログラムに応募し選考された2名の教員が南極地域観測隊同行者として昭和基地に行き、南極授業を実施しています。帰国後は自らの体験を科学教育やキャリア教育に生かし、大きな教育効果を生み出しています。

この実績をベースにして平成30年度より新たに小・中学生向けの「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」事業を始めました。この事業はJKA補助事業「青少年の健やかな成長を育む活動」に採択され、事業費の半分の支援を受けています。教材として冊子「南極・北極から学ぶ地球環境変動」、南極・北極地図、DVD「南極・北極から学ぶ地球の温暖化」を制作しました。これらの教材を用いて南極・北極で活動した経験がある様々な職種の専門家が講師となって全国の小・中学校で教室を開催する準備を進めています。持続可能な開発(SDGs)のための環境教育(ESD)に寄与する先導的な取り組みとして推進します。

大きな可能性を秘めた南極・北極での研究・教育活動を支援し、その成果を社会に普及する当財団の活動のために皆様の一層のご鞭撻、ご支援をお願い申し上げます。

2019年1月1日

公益財団法人 日本極地研究振興会

代表理事 吉田 栄夫

 

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