【作品公開】受賞作品発表-2022年度-

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「南極・北極からSDGsを考えよう」をテーマに、第1回「南極・北極SDGs探究学習コンテスト」が開催されました。
対象は小学生を代表者とする3人以上のチームで、全国から107の作品が寄せられました。
地球温暖化が極地の環境・生物にあたえる影響、マイクロプラスチック問題、環境保護とエコな生活などなど・・・
知的好奇心にあふれた独創的な作品がたくさん集まりました。

\作品公開しました/

特別賞

※パートナー企業名を冠した賞。企業名の50音順にて発表。

👑 いすゞ自動車賞

南きょくでキャベツを長もちさせる方法とりょう理

チーム人数:3 東京農業大学稲花小学校(2年)
阿知和麗、父、母

審査員からのメッセージ

✅ 南極越冬隊にとって貴重な生キャベツの新しい保存法の提案が高評価!

✅ キャベツに目をつけたところが面白い

🌟 キャベツを冷凍すると細胞の中の水が氷になり、その結晶が大きいと細胞が壊れやすいです。凍結する温度を-80℃などもっと低温にすると水の結晶は小さくなります。凍結の温度に注目して実験してみるともっとよい探究学習になります!

1年間を南極で過ごす南極観測隊の越冬隊が一番食べたいと思うのが生キャベツです。その生キャベツを昭和基地で長期に保存するために雪を利用することを考えたことや、冷凍キャベツをおいしく食べる料理法に挑戦したことが高い評価を受けました。こうした研究は南極観測隊でもまだ本格的に行われておらず、素晴らしいアイデアだと思います。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

8年後の地球のために~今すぐできることがあります~

チーム人数:14 埼玉県戸田市立戸田南小学校(6年)
波多江菜心、梅田若奈、大庭はな、越智理央奈、柏原ももか、岸本美春、北川紗々、黒井詩央、佐藤ここな、谷山結香、中村遼紀、野口沙菜、細井音桜、堀川理乃

審査員からのメッセージ

✅ 海洋プラスチック問題を冊子とビンゴカードにまとめ、SDGs普及につなげた力作!

✅ しらせ出港のニュースと授業で教わったSDGsを組み合わせて発想しました。極域まで広がっているマイクロプラスチック問題に行き着いて、日常生活の中での使用状況の点検と総括を行い、問題のありかが我々の生活から出るゴミと深く結び付いていることによく気づきました!

北極海や南極大陸の雪の中にマイクロプラスチックが見つかったことを知り、マイクロプラスチック問題が地球全体の問題であることを理解したことがこの探究学習の出発点で、自分たちが生活の中で1日にプラスチックがどれだけ使っているかを調べ、減らす工夫を考えました。さらに、調べた結果を冊子とビンゴカードにまとめ、戸田市民へのSDGs普及にまで探究学習を高めた一連の活動が高く評価されました。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

👑 KDDI賞

地球おんだん化と南きょく北きょくとゼンマイとSDGs

チーム人数:3  東京農業大学稲花小学校(2年)
滝澤まほろ、母、祖母

審査員からのメッセージ

✅ 調査と実験に相当な時間と労力をかけているのがうかがえて、すばらしいです!

✅ 科学的な思考の進め方がすばらしい!

✅ 問題提起から実際に実験をし、山菜につなげている点が秀逸です。

山形の大叔父から毎年送られてくるゼンマイが大好きで、地球温暖化の影響が山菜の成長に出ていると聞き、南極と北極の温暖化について考え、海氷の融け方を調べる実験をいろいろと工夫し、海水のような塩分を含んだ水が凍るときには塩分が吐き出されること、黒い氷は速く融けることなど、簡単な実験で海氷の特徴を明らかにしたことが高く評価されました。ゼンマイを守ることが南極・北極の氷を守ることになると確信できたことは素晴らしいと思います。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

👑 竹中工務店賞

藻類ってなにもの?~藻類が地球を救う!?~

チーム人数:7 東京都・光塩女子学院初等科小学校(6年)
新保萌々子、齋藤舞羽、田代ひな、寺井愛莉、寺門綾花、協力者2名

審査員からのメッセージ

✅ 専門家に良く聞き、考えを深めて行ったようですね。まとめた成果もよいです!本人達も言っているように、地球環境とどのようにつながっているか、そしてSDGsとどのように対応しているか、よくよく考えればそして調べてみればいろいろなつながりが浮かび上がってくる…これは大事なポイントだと思います🥰

✅ チームワークのよさがうかがえます。みんなで協力し、よく調べ実験しましたね!

🌟 実験をした点がよいです。要因を1つに絞りやすい設計にするとより良いです。

南極・北極科学館を見学して、藻類(そうるい)が南極の生態系を支えていることを知り、「藻類とは何か」をもっと知りたいと思い、藻類研究の専門家、北海道大学の阿部剛史先生に直接質問し、それをヒントに水槽で実験し、その実験結果も入れて、南極大陸に藻類がいる湖といない湖がある理由や、藻類が将来、バイオエネルギー、健康食品、医薬品としてSDGsに寄与できることを考えが力作で、探究学習の創意工夫とチームワークが高い評価を受けました。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

👑 立飛ホールディングス賞

南極・北極の海洋プラスチック汚染を解決するには

チーム人数:4 静岡県長泉町立北小学校
早川義也(5年)、早川さら(3年)、兄、母

審査員からのメッセージ

✅ 実際に現場へ足を運んで実験したことがすばらしい!調査と実験の努力がうかがえます。

✅ 海洋の持っている力の一つは、提案者らも言っているように大陸や島をつなぐと言うものであろう。そんな視点から海岸のゴミを見て極地を身近なところとして発想出来る視点は大事にしたいですね。

北極や南極の氷からプラスチックが見つかったというニュースを聞いて、なぜ人が住んでいない極地にプラスチックがあるのか疑問に思い、静岡県沼津市の海岸約200mのプラスチックゴミの種類を調べ、魚の解剖などもやり、地球全体が海でつながっていることに気づき、世界第 6 位の3000km近い長さをもつ日本の海岸線のプラスチックゴミを回収することがSDGsに貢献することを訴えた取り組みが高く評価されました。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

👑 東洋羽毛賞

氷河とはなにか? 極地の氷の融解の原因を調べてみよう 稲わらなどを使って氷の融解を抑制できるか実験してみよう

チーム人数:3 東京農業大学稲花小学校(2年)
山田蓮花、父、母

審査員からのメッセージ

✅ 工夫して実験をしました。両親のご協力がよくうかがえます。

✅ この実験をするきっかけも本人なりの判断があった点がよかったです。稲わらなど目の付けどころがよく、苦労して実験した様子が伝わってきます。

✅ 古来からの氷室を参考に、自然影響が少ないイネわらを用いて氷の融解を遅らせられると示したことが論理的かつ探究学習になっています。

地球温暖化を知り、氷河の融解をできるだけ止めるにはどうすればいいのかを考え、学校で勉強してきた稲わらを利用できないかと考えた着想がユニークで、日本で昔から使われていた氷室(ひむろ)を参考に、氷の融解実験を繰り返し、稲わらの効果を明らかにした点が高く評価されました。実験は失敗の連続で大変だったそうですが、失敗の連続こそ探究学習だと思います。そうした経験が探究心を高めてくれると思います。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

STOP‼︎食品ロス 北極と南極の生き物たちを助けよう!!

チーム人数:3
宮崎宗獅郎(大阪府羽曳野市立高鷲小学校 4年)、 母、その他1名

審査員からのメッセージ

✅ 「南極や北極を見る目は寒い場所」と言う一般的な興味から、そこでの生き物や生き物が食べてるものへと関心が拡大しています。「食品ロス」はありがちな題材となってしまうが、気候変動や地球温暖化といった問題にクロスするこどで問題を深めることが出来たのだと思います。

🌟 漫画での表現はとても分かりやすいが、もっと子どもたちが主体となって漫画を描いてくれていたら更によかったです!手書きでもよいので、是非挑戦してみてください!

南極・北極の温暖化と生き物たちへの影響を調べ、気候変動や温暖化が起こる原因を考えて、それをストップする活動として食品ロスに着目し、実際に食品ロスをなくす工夫をし、SDGsのいろいろな目標がみなつながっていることを示したことが高く評価されました。マンガの表現も分りやすいと好評でした。南極越冬隊では1年間食料品の補給がありませんので、昔から賞味期限は気にぜず、食品ロスがない料理を楽しんでいます。昭和基地の食品ロスをしない料理法もぜひ関心をもってください。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

👑 飛島建設賞

ほっきょくなんきょくSDGs~ホッキョクグマやペンギンたちをまもるには~

チーム人数:10  東京都・Laurus International School of Science
(2年)
岡本颯太朗、有本佳生、土田蓮、松本礼クルーズ
(1年)
神庭啓維、神庭彩綾、友田啓介、松江英叶、呂彩函
協力者1名

審査員からのメッセージ

✅ 1~2年生の子どもたちだけで、よくここまで仕上げてくれました。発想豊かな作品です。

✅ みんなの意見を合わせて、考え、自分の意見をまとめたところが素晴らしいです。みんなで考えれば広がりますね。

小学校1~2年生の子どもたちだけで、ペンギンやホッキョクグマについて調べ、温暖化が進むと海の生き物たちがどんな影響を受けるのか、みんなで意見を出し合い、自分たちができることを懸命に考えた取り組みが高く評価されました。チームで作品を仕上げる中で、いろいろな考えを知ることが楽しくなり、字を書くことにも慣れてきたなど、SDGsの担い手を育てるにはチームによる探究学習が効果的だと分る作品です。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

👑 ヤンマー賞

昭和基地のゴミを減らすにはどうしたらいい?

チーム人数:12 長崎県諫早市立長田小学校
(4年)
藤岡柾喜、平田來輝
(2年)
藤岡美雨、平田幸聖、大井輝季、最上彩瑠、古川蒼彩
母(協力者)5名

審査員からのメッセージ

✅ ごみの削減、省エネなど実際に必要とされる課題に取り組み、考えている点がよかった。観測隊員も参考にできそう📝

✅ ゴミを減らす前に必要か考えることや、昭和基地での具体的な改善策の提案が素晴らしいです!

「環境保護に関する南極条約議定書」によって南極地域は世界で最も厳しい環境保護区になっていますが、この作品は南極・昭和基地から出るゴミの種類やゴミ処理の方法について、南極観測隊でその分野を担当した元国立極地研究所の技術職員 石沢賢二氏から詳しく聞き、諫早市のゴミ分別とも比較し、どうしたらゴミを減らせるかを考え、具体的な改善策を提案した一連の取り組みが高い評価を受けました。ゴミを減らすには観測隊員を減らしてロボットにしてはという提案がありましたが、未知への挑戦は人間にしかできないことが多く、これからはもっと多くの人たちが南極に行って、観測や研究をする必要があります。そのことを将来はぜひ考えてほしいと思います。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

👑 日本極地研究振興会賞

身近な海から 極地の生物と海を守ろう!

チーム人数:7  長崎県佐世保市立広田小学校(5年)
飯田海虎、平川幸尚、福田智大、協力者4名

審査員からのメッセージ

✅ 身近な海のゴミ・水質調査から極地の海のゴミ問題を考えた力作!

✅ 実際に早岐瀬戸でゴミの調査をしたことから探究学習が始まり、地域と世界への関心が感じられました。自ら現地に足を運び、実験して調べて考えて、全地球的な問題へも目を向けている点がとてもよかったです!

長崎県の早岐瀬戸(はいきせと)に流れ着いたたくさんのゴミを見て、海でつながっている北極や南極にこれらのゴミが流れついたら、極地の生き物たちにどんな影響がでるのかが心配になり、早岐瀬戸のゴミの種類を調べ、海や河川の水質調査をした取り組みが高く評価されました。ただ、水質調査に使用したTDS測定(Total Dissolved Solids:総溶解固形物)の値が大きいので海が汚染されていると考えたのですが、TDS測定法は真水が汚れると電気が流れやすいという性質を利用しているので、もともと電気を通す海水には使えません。でも探究学習は、間違いに気づき、別の方法を考えることからさらに進歩していくものですので、間違いも含めて高い評価を受けました。

公益財団法人 日本極地研究振興会 理事長 福西浩

優秀賞(日本極地研究振興会賞)

特別賞に近い優秀な作品に、日本極地研究振興会から新たに賞を贈ることになりました。
賞状と記念品を贈呈します!

地球環境と渡り鳥の変化について

竹内敦海(岩手大学教育学部附属小学校5年)、他2名

南極と北極のいきもの

高瀬結(東京都練馬区立豊玉東小学校2年)、他3名

学校が海の底に沈む!?

浅利柚樹(東京都中野区立谷戸小学校4年)、他3名

マイクロプラスチックと極地

石黒陽己(東京都三鷹市立第四小学校3年)、他3名

未来の地球に目を向けて 私たちにできること

楡井健介(東京都三鷹市立第四小学校6年)、他5名

北極のためにぼくができること

栗秋佳真(神奈川県・桐光学園小学校3年)、他2名

僕たちの海をとりもどす~海の豊かさをまもろう~

加藤雪舟(三重県伊勢市立明倫小学校4年)、他3名

南極で暮らすにはどうしたら良いか

樋野葵人(鹿児島県南種子町立大川小学校2年)、他3名

審査員のご紹介

※50音順、敬称略

生田依子(奈良県立青翔中学校・高等学校教諭)
岩坂泰信(名古屋大学名誉教授)
荻田泰永(北極冒険家)
小塩哲朗(名古屋市科学館学芸員)
白石和行(国立極地研究所名誉教授)
中山由美(朝日新聞記者)

野上道男(東京都立大学名誉教授)
東野雅彦(竹中工務店参与)
福西 浩(東北大学名誉教授)
藤原 均(成蹊大学教授)
山内 恭(国立極地研究所名誉教授)

お問い合わせ

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日本極地研究振興会 コンテスト係
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