はじめて人類が南極大陸にたどり着いたのは、今から約200年前の1820年。日本の約37倍の面積をもつ南極大陸は、かつでは領土権のあらそいの対象にもなりました。いまでは世界の国々が協力しあい、さまざまな自然現象から地球の過去を調査し、地球の未来に役立てようとしています。
南極にある日本の基地について
現在、南極にある日本の基地は4つあります。
・昭和基地
・ドームふじ基地
・みずほ基地
・あすか基地
このうち、日本の主要基地は東オングル島にある「昭和基地」。1957年に開設されてから、観測隊の生活の基盤となっています。観測を行うのは、1年を通して南極に滞在する越冬隊と、夏の間約3か月間滞在する夏隊。その数合わせて約80名です。
➡ 南極観測隊とは?
🔍調べてみよう
・それぞれの基地の特徴(場所、どんなことをしているか、現在は使われているか)など、調べてみよう!
・南極には、日本だけではなく世界の様々な国の基地があります。それぞれの基地ではお互いに情報交換しながら観測を行っています。中には消防署やコーヒーショップがある基地も!外観がとってもおしゃれな基地だってあります。世界の基地についても調べてみると面白いですよ🥰
昭和基地ってどれくらい寒いの?
昭和基地の平均気温は、夏はー1℃、冬はー20℃です。また、最低気温はー45.3℃です。(1982年9月4日)
冷蔵庫の平均温度は2~6℃、冷凍庫が約ー20~ー18℃です。はいた息が凍ってしまうのはー30℃ですので、とっても寒いところで生活をしているのです!
建物と暖房のしくみ
とっても寒い南極で、観測隊が快適に生活するには室内は20℃ほどに保たれる必要があります。そのため昭和基地では、このような工夫をしています。
- 冷気が室内に伝わりにくくする
屋根・床・壁には、熱を通しにくく、厚い材料を選びます。冷凍庫用のパネルを使っています。
- 室内を暖める
電気を作るために、発電機を休みなく運転しています。この発熱用ディーゼルエンジンから出る大量の熱を、常に水で冷やしています。そこで温まった水をポンプで循環させ、観測隊が生活している場所へ送ります。余分な熱をムダなく使っているのです。
余分な熱をムダなく回収するためのポンプや配管はとても複雑な配置となっています。昭和基地では1年を通して、ディーゼルエンジンからの熱だけで部屋を暖めています。
❓ 考えてみよう
なぜ、昭和基地では徹底した省エネ(省エネルギーの略で、エネルギーを効率よく使うこと)に取り組む必要があるのかな?
【チャレンジ】南極で電気を作れるの?
南極観測船「しらせ」では、1年に1回、食料など必要な物資を運んでいます。
その量なんと約1000t(トン)!そのうち約60%が燃料です。燃料のほとんど発電用として使われます。
燃料を多く使わない発電方法に切り替えたらいいのに!と思った人はいませんか?もちろん、南極でも「風力発電」「太陽光発電」に取り組んでいます。ブリザードや極夜(1日中太陽がでない時期)もある南極で、どのような方法や工夫がされているのでしょうか?考えてみましょう!
生活に必要な「水」はどうなっているの?
私たちの生活で欠かせない水は、空から降った雨や雪をダムなどにためて浄水して利用しています。しかし南極では海は凍っていますし、池も夏の間は利用できますが、冬になってしまうと凍るため、とかす必要があるのです。氷をとかすには、先ほどのエンジンの余分な熱を利用しています。昭和基地を開設してしばらくは、海の氷山をくだいて使っていました。現在は、大きな水槽をつくり周囲にたまった雪を入れています。水を作るのもとても大変…観測隊は節水を心がけています。
❓ 考えてみよう・調べてみよう
・観測隊は湯舟のあるお風呂には入れるのかな?
・観測隊はどんな工夫をして節水しているかな?
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