第64次教員南極派遣プログラム活動報告書

64th

\2022年度はわたしたちが南極派遣教員です/

※所属校は派遣当時のものです。

野田 豊(のだ ゆたか)

所属:奥多摩町立古里小学校
専門:理科

小松 俊介(こまつ しゅんすけ)

所属:筑波大学附属高等学校
専門:美術

教員南極派遣プログラムとは?

極地の科学や観測に興味を持つ現職の学校教員を南極の昭和基地へ派遣し、南極と日本をつなげる「南極授業」や帰国後の活動を通して、南極で起こっている問題や、南極観測の意義や魅力を次世代を担う子どもたちへ届ける活動です。

国立極地研究所と日本極地研究振興会が、文部科学省(南極地域観測統合推進本部事務局)と連携して実施しています。

➡ もっと詳しく

活動期間

南極観測隊は、越冬隊と夏隊に分かれています。このうち、教員南極派遣プログラムでは夏隊に同行します。越冬隊(第64次)と一緒に南極に向かい、前次隊(第63次)の越冬隊と帰国します。※約4か月間

出発前は、総合訓練や観測隊の打ち合わせに参加、帰国後は報告会や国内の学校や一般に向けて講演や情報発信をお願いしています。

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活動の主な流れ

🚢 昭和基地に到着するまで

時期活動内容
2022年
2月
派遣候補者に決定
2月28日~3月4日冬期総合訓練に参加
講義(座学)のほか、雪山登山や雪原でのテント泊、ロープ登行訓練、ルート工作訓練などを行いました。
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5月21日第63次教員南極派遣プログラム帰国報告会に参加
6月14日~16日夏期総合訓練に参加
講義や打ち合わせが中心。
南極授業の概要を説明しました。
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6月末同行者として正式に決定
7月2日ArCS II×JAXA宇宙教育センター教員研修」に参加
7月~10月観測隊全員打ち合わせ
(オンライン+出張含め数回)
11月11日出発
船内では、打ち合わせや南極や船上で行われる観測や研究の内容を学びます。南極授業の準備も行います。
11月26日フリーマントルに入港
燃料や食料などの物資の補給を行い、12月1日に南極へ向けて出港します!

❄️ 昭和基地に到着したあと

時期活動内容
12月22日昭和基地に到着
日本を出発してから、なんと約1ヶ月10日間!
しかし、これからが本番です!

野外観測チームに同行、除雪や建設・解体の支援など、観測隊の様々な仕事を体験します。
1月中旬南極授業に向けた打ち合わせ、準備、リハーサル
1月下旬~2月初旬南極授業の実施
所属校にむけて、授業を行います。観測隊の皆様を招いて職務内容を説明してもらったり子どもたちの質問に答えてもらったりしましました
2月1日越冬交代式
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2月4日南極中継「夏の昭和基地へようこそ!」
➡ 中継の様子(youtube)
2月11日昭和基地出発
3月22日帰国

🌱 カイワレ大根の育成に挑戦
しらせの船内で「カイワレ大根の生産者募集」というアナウンスがあり、小学校教員の植物栽培のノウハウをいかし挑戦!育て初めて1週間で大きくなり、しらせの調理担当の方に出荷しました🎁翌日にはサラダにして美味しくいただきました!
南極では食料の調達ができないため出発前に1年分の食糧をまとめて保管します。お肉やお魚、野菜などの生ものはほとんどが冷凍保存!生野菜はとっても貴重で隊員たちのごちそうなのです🍴

🌀 吠える40度、狂う50度、絶叫する60度
南極大陸への航海はとても険しく、船の中での体調管理は大変でした😢気づかずに体調が悪くなることもしばしば…南緯が上がるにつれ海況が悪化し、「吠える40度、狂う50度、絶叫する60度」と言われる南緯40~60度では、撮影ができないほど揺れました。しらせの中での生活に早く順応できるようにすることが重要です。

🐧 コミュニケーションの大切さ
性別も年齢も専門とする仕事も異なる隊員たちが、しらせの中で共同生活をします。船内では隊員の自己紹介コーナーが設置されコミュニケーションを図るきっかけとなりました。また、赤道を無事に通過できるよう祈念して行う「赤道祭」や正月準備のための餅つきなどのイベントも開催され、隊員の皆さんと関わる時間を大切にしました。