桜美林中学校「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」
アンケート調査の紹介
福西 浩(公益財団法人 日本極地研究振興会 常務理事)
当財団の「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」を2019年11月26、と27日の両日に桜美林中学校で開催しました。
講師は、国立極地研究所前所長の白石和行氏で、図表や写真・動画を多用しながら、地球の環境変化について、最新の研究成果にもとづいて過去から現在そして未来に至るまで説明し、大変好評でした。また、南極で採取された25億年前に誕生した岩石や本物の隕石に触れる機会もありました。
講義は3回に分けて行われました。
11月26日 13:30~15:20 中学1年生75名(D・E組)と教員
11月27日 9:50~11:40 中学1年生75名(C・F組)と教員
11月27日 13:30~15:20 中学1年生75名(A・B組)と教員
アンケート調査
講演後に「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室アンケート」を実施していただきました。213人からアンケート結果が寄せられました。
アンケートの方法は5段階評価と自由記述(感想および南極・北極教室への要望)です。全体的に高い評価をいただきました。
5段階評価の結果
5段階評価(1~5の数字に〇をつけてください)
学年: | |
お話の内容に興味がもてましたか | 1-2-3-4-5 |
お話はわかりやすかったですか | 1-2-3-4-5 |
南極や北極に行ってみたいと思いましたか | 1-2-3-4-5 |
地球環境変動について理解が進みましたか | 1-2-3-4-5 |
自分が知らなかったことを学べましたか | 1-2-3-4-5 |
自由記の結果
いろいろな感想がありましたが、以下にいくつかを紹介します。
1.今日、白石先生からお話を聞き、北極と南極の自然や環境問題についてたくさんのことを教えてもらいました。その中で一番興味を持ったのは、時の流れです。何万年もかけて少しずつ変わっていくものや、南極の雪のように1年や数か月で変化するものもありました。とてもおもしろいものです。さらに、この変化のために周りの色々なものがまた変化して、時には良いことに、時には悪いことになります。このちょっとした一つの変化で世界が大きく変わると思うと、少しわくわく感じるとともに、少し怖さを感じ、大人になったら自然のちょっとして変化に気づき、とうなるのか考え、それを対策できるような人になりたいと思います。
2.北極と南極はとても似ているようで少しずつ違いがあったのでとても興味を持つことができました。この講座を受ける前は、北極と南極、それぞれの特徴を説明することはとでも難しかったのですが、今は自分の言葉で説明することができるようになりました。また、南極に落ちた隕石にも興味を持ちました。私は初めて隕石を持ったのですが、とても重く、ざらざらしているものもあれば、つるつるしているものもありました。地球は長い年月をかけて色々変化してきたのだなと改めて感じました。現在の地球は温暖化しています。これから南極や北極などの氷が広がっている場所はどんな様子になってしまうのか、心配や不思議でいっぱいです。それで南極や北極について、自分でも調べてみたいと思いました。
3.日本という一つの国ではなく、地球という大きな星のしくみ、歴史をたくさん知ることができとてもためになりました。今の地球と昔の地球を比較して話されたのがとても分かりやすく、理解しやすかったです。特に印象に残っているのは北極と南極の違いです。北極は「氷におおわれた海」であり、南極は「海に囲まれた氷の大陸」だと知りました。最初は、北極と南極は場所が違うだけでほぼ同じだと思っていました。でも誕生の歴史がまったく違うのだと知りびっくりしました。これからは少しでも興味を持ったら、自分から調べて、たくさんの知識を持ち、色々なことにいかしていきたいと思いました。
4.私は今日、白石先生の話を聞いて南極への関心が深まりました。南極はとても広いと知っていましたが、日本の37倍とは!私は、隕石がすごく興味深かったです。日本隊だけで17,600個も見つけたと知り、とてもすごいことだと思いました。テレビの情報だけでは分からない(知らない)ことだらけだったので、もっと隕石について調べて、もっと知りたくなりました。また知識も広がり、世界への視野も広がりました。今日はありがとうございました。とても楽しかったです。
5.私は南極については、「寒い」というイメージしかなかったのですが、他にも、乾燥していて雪が降っていることから「白い砂漠」と呼ばれている事、雪の層の空気を調べて当時の環境を知ることができる事など、私が知らないことばかりでした。その中でも一番驚いたのは、南極に夏はたくさんの観光客がやってくるという事です。また南極にきれいなオーロラが出ることを知らなかったので、いつか南極でオーロラを見てみたいです。今回の授業を受ける事ができてとてもよかったと思いっています。
6.今まで、南極・北極のことについてあまり考えてことがありませんでした。しかし今回の話を聞いて、南極・北極には不思議なことがたくさんあっておもしろいなと思いました。また、環境について、南極はすごく関りがあることが分かりました。南極大陸の断面図や人工衛星による観測などの説明が分かりやすく、理解を深めることができました。グリーンランドや南極の氷が融けていることを知り、地球の温暖化についてよく考えるべきだと思いました。南極大陸を含め日本など、海水面の上昇で面積がどんどん小さくなっていくことを知り、自分もCO2減少に努めてみようと思いました。
7.地球温暖化など私たちが知っている内容から難しい内容まで色々ありましたが、集中して聞くことができました。印象に残ったことは、南極の氷がとけて水面が上がり、島々が沈んでしまうことです。私は、「未来にできること」を小学生6年生の時に考え、地球温暖化を遅くすることを考えました。その時は南極の氷がとけるから水面が上がるということは知らなかったのですが、今日そのことが分かりよかったです。これからも私たちの未来のために考える行動をしていきたいと思います。
8.受験のもぎ試験のときに、地球温暖化の問題で色々学ぶことはありましたが、ここまで深くは学んでいなかったので、今日の話からたくさんのことを学ぶことができました。南極では隕石をはじめ、植物や恐竜の化石が見つかったことを知り、また南極の石に触ることもできました。南極大陸には40億年近い歴史があり、4千万年前に孤立したと知りました。南極に関してこれからは積極的に新聞などに目をとおしていきたいと思います。北極は、1980年頃から海氷面積が小さくなりはじめ、右肩下がりがつづいており、温暖化と薄氷化が進んでいることを知りました。また二酸化炭素が増えることによって海の酸性化が進み、貝などが死んでいくなどの問題がおきていることも学びました。温暖化を止めるために二酸化炭素を排出しない生活を考えていきたいと思います。