桜美林中学校で「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」の講師を務めて
白石和行(国立極地研究所名誉教授) 日本極地研究振興会では、公益財団法人JKAの2019年度補助事業として採択された「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」を開催しているが、私は町田市の桜美林中学校においてその講師を務める機会を得た。講義は2日間にわたって3回行い、延べ210名余りの中学1年生のほか、多くの先生方も聞いてくださった。タイトルに「南極・北極」とあるが、私は長年、もっぱら南極の仕事ばかり
日本極地研究振興会のWEBマガジン
白石和行(国立極地研究所名誉教授) 日本極地研究振興会では、公益財団法人JKAの2019年度補助事業として採択された「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」を開催しているが、私は町田市の桜美林中学校においてその講師を務める機会を得た。講義は2日間にわたって3回行い、延べ210名余りの中学1年生のほか、多くの先生方も聞いてくださった。タイトルに「南極・北極」とあるが、私は長年、もっぱら南極の仕事ばかり
福西 浩(公益財団法人 日本極地研究振興会 常務理事) 当財団の「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」を2019年11月26、と27日の両日に桜美林中学校で開催しました。 講師は、国立極地研究所前所長の白石和行氏で、図表や写真・動画を多用しながら、地球の環境変化について、最新の研究成果にもとづいて過去から現在そして未来に至るまで説明し、大変好評でした。また、南極で採取された25億年前に誕生した岩石や
ロストポジション 石沢 賢二(前国立極地研究所技術職員) 1. 道に迷う 登山者が道に迷って遭難したというニュースはたびたび聞かれます。道に迷うとは、自分がどこにいるのか地図上で同定できなくなることで、ロストポジションとも言います。その多くは、下山時に道を見失い、谷に入り込んで起こることが多いようです。道なき谷を下る途中で体力を消耗し歩くことができなくなります。いったん道に迷ったら、「下ることを
70歳で南極・昭和基地を再訪 柴田鉄治(元朝日新聞社会部記者) 私は、30歳のとき、第7次南極観測隊に同行取材し、その2年後、第9次観測隊の「極点旅行隊」(村山雅美隊長)を取材するため、米国に頼んで南極点の米国基地に飛行機で先回りし、到着の様子を記事にしたことは、前号までに記した。 この2回の南極行で、ペンギンや氷山、白夜といった大自然の素晴らしさだけでなく、南極条約によって国境もなければ軍事基
林 直孝(カルガリー大学文化人類学考古学科) 七月六日、ヒオガッパルッから西へ三キロほどのアチキャッドに着いた。海からそそり立つ瓦礫の山の頂から「フィーン、フィーン、フィーン」という音が響き渡り、時折、「ピリリリーッ、ピッピッピッピッピッ、プッ!」「フィッフィッフィッフィッ、フィーッ!」という声が澄んだ空気を切り裂く。ちょうどアッパリアホ(appaliarsuk, 英名little auk [Al
南極から宇宙環境を探る 二村有希(第60次南極地域観測隊越冬隊 北海道大学大学院生) キーボードを弾く(南極・昭和基地にて) インタビューは2018年11月10日に東京都立川市の公益財団法人日本極地研究振興会の事務所で行いました。 インタビュアー:福西 浩 福西:南極に出発される直前のお忙しい中でインタビューの時間をとってくださりありがとうございます。これまで挑戦されてきたこと、南極で挑戦したいと
舟津圭三((株)NIKI HILLsヴィレッジ総支配人) 1990年3月3日、アメリカ、フランス、ソ連(当時)、中国、イギリス、日本の6カ国の6人の冒険家や科学者からなる南極大陸横断国際犬ぞり隊が、ゴールのミールヌイ基地に無事到着しました。220日をかけての南極大陸の横断のゴールでした。その走破距離は6000キロにおよび、南極半島先端から極点経由でボストーク基地、ミールヌイ基地へ抜ける、南極大陸で
久保勇樹(国立研究開発法人情報通信研究機構 電磁波研究所 宇宙環境研究室 研究マネージャー) 宇宙天気、耳慣れない言葉かもしれませんが、今、宇宙天気情報の需要が急速に高まりつつあります。 はじめに 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、日本で唯一の宇宙天気予報を業務として行っている公的機関です。NICTでは、その前身である郵政省電波研究所が発足した1950年代初めごろから、短波通信障害を
ヤンマー株式会社~ディーゼル発電機で昭和基地の電力と暖房を担う~ 第60次南極地域観測隊インタビュー 越冬隊員 菊田勝也 南極・昭和基地でディーゼル発電機を点検する菊田隊員(2019年10月) インタビューは2018年10月23日に国立極地研究所南極観測センターで行いました。 インタビュアー:福西 浩 福西:南極に出発される直前のお忙しい中でインタビューの時間をとってくださりありがとうございます