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サイエンスシリーズ「オーロラから宇宙環境を知る」第2回

宇宙から見たオーロラと地上から見たオーロラ福西 浩(東北大学名誉教授) 宇宙からみたオーロラ  オーロラは高度約100~500kmの非常に希薄な大気が発光する現象です。最もよく見られるオーロラは、酸素原子が発光する緑色のオーロラと赤色のオーロラです。緑色オーロラの発光領域は高度約100~250kmで、それより高い高度は赤色オーロラの発光領域です。国際宇宙ステーション(ISS)の高度は約400kmな

「北極・南極への道を拓いてくれた2人へ」

第61次南極観測越冬隊同行 朝日新聞・中山由美 最初の訃報  極寒の長い夜が明け、太陽が白い世界を輝かせる季節が戻った8月、昭和基地に思いもよらぬ知らせが届いた。北極へ、そして南極へ導いてくれた恩人がこの世を去った。2人がいなければ、南極で越冬し取材を続けている今の私もいなかったに違いない。 部屋でパソコンを開いた時だ。ひげ面の野性味あふれる懐かしい顔がモノクロ写真で画面に映し出され、思わず顔を覆

メールマガジン編集委員会立ち上げのお知らせ

 日本極地研究振興会では、極地における様々な活動を広く紹介するために2015年4月よりメールマガジンを創刊し、毎年4回、情報の発信を行ってきました。このたび、この活動をさらに強化するために、メールマガジン編集委員会を立ち上げることになりました。これを機に、さらに様々な世代の方々に広く情報発信できるように内容・発信方法など工夫をしていく予定です。  まず今後早い時期に、メールマガジンという形態からウ

サイエンスシリーズ「オーロラから宇宙環境を知る」第1回

太陽黒点11年変動とオーロラ活動 福西 浩(東北大学名誉教授)  オーロラは、地上約100kmよりも高い宇宙空間と呼ばれる領域で希薄な大気が輝く現象です。地上付近の大気圧は1気圧ですが、高度が高くなるにつれて大気圧は急激に下がり、高度100kmでは地上の300 万分の1まで下がります。このような希薄な大気では大気中の酸素分子(O2)や窒素分子(N2)は太陽紫外線で酸素原子(O)や窒素原子(N)に分

ESD副読本・学習プログラム「南極・北極から地球の未来を考える」のご紹介

 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」(図1)は、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標です。地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。我が国でも経済界や地域社会などすべての分野でSDGsへの取り組みが始まっています。SDGs達成のためにはそれを担う人材の育成が緊急の課題となっており、文部科学省は新規事業として2019年度か