ESD副読本・学習プログラム「南極・北極から地球の未来を考える」のご紹介

 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」(図1)は、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標です。地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。我が国でも経済界や地域社会などすべての分野でSDGsへの取り組みが始まっています。SDGs達成のためにはそれを担う人材の育成が緊急の課題となっており、文部科学省は新規事業として2019年度からユネスコ活動費補助金事業として、「SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業」を始めました。

 ESDは、Education for Sustainable Developmentを略した言葉で、「持続可能な開発のための教育」です。ESDはSDGs達成の担い手を育む教育です。地球環境の未来像を予測して未解明の問題に果敢に挑戦する行動力を持った人材を育成する教育です。2020年度から始まる新学習指導要領では、その前文と総則に「持続可能な社会の創り手となる」との一文が初めて入り、日本の教育目標になりました。

 当財団がこのESD推進事業に申請しました「南極・北極から地球の未来を考えるESD副読本と学習プログラムの開発」が2019年度事業として採択され、中学生用ESD副読本および学習プログラム「南極・北極から地球の未来を考える」を刊行しました。また、2020年度も継続採択となり、ワーキンググループを立ち上げ、国立極地研究所と連携して事業を進めています。

図1.SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標

中学生用ESD副読本「南極・北極から地球の未来を考える」

ESD副読本表紙

 ESD(持続可能な開発のための教育)はSDGs達成の担い手を育む教育です。地球環境の未来像を予測して未解明の問題に果敢に挑戦する行動力を持った人材を育成する教育です。2020年度から始まる新学習指導要領では、その前文と総則に「持続可能な社会の創り手となる」との一文が初めて入り、日本の教育目標になりました。
 このESDのための副読本は5章構成で、執筆者は、南極・北極でさまざまな活動を行っている極地の専門家です。第1~4章は、最新の研究成果にもとづいて、南極・北極が地球の未来を考える上でなぜ大切なのか、極地で進行する温暖化と生態系の変化、先進的な環境保護、極地と宇宙について、中学生が理解できるようにわかりやすく紹介します。また第5章は、キャリア教育のために、冒険家、ジャーナリスト、南極派遣教員、大学院生、南極観測隊員など18人が自らの体験を語ります。目標を持つこと、未知なるものに挑戦すること、好奇心、チームワークなどの大切さが伝わってきます。広く全国の中学校でご利用ください。

2020年発行 / A4判 / 定価:500円(税別)

中学生用ESD学習プログラム「南極・北極から地球の未来を考える」

ESD学習プログラム表紙

 この学習プログラムは、中学生用ESD副読本「南極・北極から地球の未来を考える」を用いた授業を中学校の理科、社会、総合的な学習、その他の教科で実施するためのものです。
 第1章は、ESD副読本に掲載された26のテーマと極地で活躍する18人からのメッセージが新学習指導要領のどの教科科目に対応するかを表で示します。第2 章は、ESD副読本の内容を7つの学習区分に分け、それぞれの到達目標を表で示します。
第3章はワークシートで、南極地域観測隊に参加し、南極から授業を行った実績をもつ小・中・高校の教員が16課題のワークシートを作成しました。各課題ごとに、①学習のねらいと到達目標、②学習時間、③学習展開が掲載されており、すぐに授業で使用できる形でまとめられています。広く全国の中学校でご利用ください。

2020年発行 / A4判 / 定価:500円(税別)