メールマガジン 第24号(2021年6月28日発行)

小学生用SDGs学習教材「南極・北極から地球の未来を考える」

当財団では2021年2月、小学校高学年向けの教材「南極・北極から地球の未来を考える」を出版しました。地球温暖化がより速く進行する南極・北極は、地球の未来の姿を先取りした場所です。南極・北極を、地球環境変動を学ぶ教材として、また「持続可能な社会の創り手」に必要な知的好奇心と困難な課題に挑戦する勇気を育てる教材としてご活用ください。2020年2月に出版した中学生用の教材と合わせ、学校の現場でも是非ご活

研究・教育助成のご案内

日本極地研究振興会
2021年度の研究・教育助成金申請を当財団の「助成金交付規程」に従って下記の要領で受け付けます。助成は、海外での国際会議や学会参加、現地調査活動、国際会議の国内開催、研究成果の普及・アウトリーチ活動、青少年教育など、極地の研究・教育の発展に資する活動を対象とします。申請課題の採否は「独創性」、「計画性」、「発展性」、「必要性」の観点から、財団に置かれた選考委員会の議を経て、理事会で決定します。助成

事務局からのお知らせ

日本極地研究振興会
今年も南極地域観測隊(第63次)の計画を審議・決定する、文部科学大臣を本部長とする「南極地域観測統合推進本部総会」の開催日(今年は6月30日)が近づいてきました。第63次隊も6月中頃には夏期の打合せを行い、7月からは立川の国立極地研究所で出発準備を始めることになります。 日本極地研究振興会では「2022年南極カレンダー」の制作に向けて印刷所との準備を始めました。また、第63次隊で記念品を作る場合は

シリーズ「日本の南極地域観測事業を支える企業たち」第14回

株式会社大原鉄工所 〜日本の南極観測事業を雪上車で支える〜(その2) 第62次南極地域観測隊員インタビュー 越冬隊員古見直人(機械・雪上車担当)インタビューは遠隔で10月20日に行いました。聞き手は 渡邉研太郎(日本極地研究振興会常務理事・国立極地研究所名誉教授) 第一部では、南極観測隊に参加するきっかけ等をお話しいただきました。今回の62次隊での越冬について、更にお聞きします。 渡邉(以下W):

サイエンスシリーズ「オーロラから宇宙環境を知る」第3回

地磁気の永年変化と南北磁極の移動福西 浩(東北大学名誉教授) 太陽風から地球を守る磁気圏  地球は巨大な磁石になっており、この磁石が太陽コロナから吹き出す太陽風 (超音速のプラズマの流れ)を守る磁気シールドになっています。太陽風は地球の磁場を閉じ込めて磁気圏を作り出します。磁気圏は、太陽方向は圧縮された形になり、反対側は尾を引いた形になっています(図1)。 この磁気圏の中でオーロラ粒子(主に高エネ

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第24回

南極基地の発電設備石沢賢二 元国立極地研究所技術職員 1. はじめに  南極には20か国、41箇所(2017年)の越冬基地があります。そのほとんどは、船が接近しやすい沿岸部にあり、そこから1,000km以上も離れた南極大陸氷床上には、米国のアムンセン・スコット南極点基地、フランス・イタリア共同運営のコンコルディア基地、ロシアのヴォストーク基地しかありません。沿岸、内陸を含め、それらの基地の電力は、