メールマガジン 第3号(2015年10月1日発行)

南極にチャレンジする女性たちー医療担当 西山 幸子ー

第57次南極地域観測隊 医療担当 西山 幸子 インタビュアー:福西 浩 福西 最初に西山さんに自己紹介をしていただきたいと思います。まず医師になろうと思われたのは何歳くらいの頃で、何かきっかけがあったのでしょうか。 西山 医師になろうと思ったのは15歳くらいの頃です。きっかけはあまりドラマチックなものがあった訳ではないですね。その頃は、将来何になろうかという、漠然 とした夢が目標に変わる時期でした

シリーズ「極地からのメッセージ」第3回

北極点無補給単独徒歩に挑む 北極冒険家 荻田 泰永 1909年にアメリカの探検家ロバート・ピアリーが、歴史上の共通認識としての北極点人類初到達を果たしてから100年余。以来、人々は様々なかたちで北極点を目指してきた。100年前には難攻不落の地球の果てであった南北両極点も、航空機の発達とともに今では観光客が機内で居眠りをしている間に乗り入れることができる場所となった。しかし、そんな時代になった今でも

シリーズ「南極観測隊エピソード」第2回

南極観測と朝日新聞その2 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治 白瀬探検隊に対して国家はなんの支援もせず、大隈重信と朝日新聞の支援でやっと実現できたことは前回記した。白瀬隊の希望していた軍艦「磐城」の払い下げを海軍から断られるなど、いろいろとあって、1910年8月の出発予定を大幅に遅らせ、11月に「開南丸」でようやく南極へ向けて、出航できたのである。 その間、朝日新聞社との間も決してスムーズではなく、ギ

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第4回

メルツ氷河の崩壊が全球スケールの海洋循環に与えた影響 国立極地研究所助教 田村 岳史 近年、南極大陸上の氷床・氷河の融解・崩壊が激しい。この原因としては、自然に起こる水循環の一環、あるいは近年の地球温暖化によるものが考えられるが、いずれにせよ、全球海面水位上昇に直接、結びつく重要な現象であり、大きな注目を集めている。一方、氷床・氷河の融解・崩壊は、海面水位上昇以外にも思わぬ影響を与えており、その具

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第3回

隕石研究の現場から 国立極地研究所助教 山口 亮 1969年、日本南極地域観測隊(JARE)によって、やまと山脈付近の氷床上で9個の隕石が発見された。その後の南極探査により、氷床上の一部(裸氷帯)に隕石が集まっているという事実が明らかにされた。JAREでは、最初の発見や他のプロジェクトの付随的な探査を含めると、これまで23回の隕石探査が行われた。国立極研究所は、世界最大級の隕石コレクションを保有し

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」第3回

橇(そり) 国立極地研究所極地工学研究グループ 石澤 賢二 2トン積み木製橇 日本の第1次南極観測隊を乗せた砕氷船「宗谷」が南極に向かう1年前の昭和30年(1955年)の初夏、西堀越冬隊長は、橇の試作を依頼するため高速艇などを製作していたある小さな会社を訪れました。西堀さんの要求は、南極の荒れた氷原で使う2トン積み橇を重量200kg以下で作ってもらいたいというものでした。その会社で設計を担当した堀

シリーズ「南極・北極研究を支える企業探訪」第2回

NECネッツエスアイ株式会社 20世紀後半から衛星観測技術が急速に発展し、各国は地球周辺の宇宙空間の直接観測や宇宙から陸域、海洋、大気を観測するための地球観測衛星を多数打ち上げました。そこでこれらの衛星から得られる大量データを受信する施設が南極地域でも必要になり、世界に先駆けて昭和基地に「多目的衛星データ受信システム」を建設するための予算として、1987年から3ヵ年計画で13億円が認められました。