メールマガジン 第13号(2018年4月26日発行)

シリーズ「南極観測隊エピソード」第12回

南極観測と朝日新聞その12 7次隊の帰途にあったこと、その1 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治  私が初めて南極観測に参加した第7次隊は、4年ぶりに基地を再建し、極点旅行用の雪上車も荷揚げできて、100点満点の出来だった。それに対する隊長や艦長からの「ご褒美」というわけではないだろうが、任務を終えて帰途に就いたときに付録のような部分があった。私は、その付録みたいな部分にひときわ感動したので、3回に分

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術たち」第13回

内陸氷床上基地の高床式建物とその維持 -その2 2000年以降の新しい考え方- 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1.はじめに  前回は、氷床上に建設した建物とスノードリフトとの壮絶な闘いについて説明しました。今回は、2000年以降に建てられた高床式建物について詳しく説明します。その一部は、このシリーズの第5回「雪の吹き溜まりから建物を守る」でも紹介しました。建物を雪面上部に維持する

シリーズ「極地からのメッセージ」 第11回

南極点無補給単独徒歩到達に成功! ~次は北極点無補給単独徒歩到達に3度目の挑戦だ~ 北極冒険家 荻田 泰永 南極点に到達(2018年1月6日)  今年1月5日、私は南極大陸の海岸線から南極点までの、1126kmを50日かけての無補給単独徒歩到達に成功した。日本人初というわかりやすいタイトルもあり大きく報道されたが、南極に行く前からいまの自分にとって南極点無補給単独徒歩が成功することには何の疑いも持

シリーズ「日本の南極地域観測事業を支える企業たち」第6回

いすゞ自動車株式会社~昭和基地の車両をメンテナンスする~ 第59次南極地域観測隊員インタビュー 越冬隊員 関根 和昭 昭和基地のいすゞエルフトラック(第59次越冬隊・関根隊員提供) いすゞ自動車は、1956年の第1南極観測隊から今日まで、60余年にわたって南極・昭和基地に毎年隊員を派遣し、昭和基地で使われている様々な車両とディーゼルエンジンのメンテナンスを担ってきました。南極という厳しい自然環境の

シリーズ「日本の南極地域観測事業を支える企業たち」第5回

株式会社日立製作所~昭和基地の生活インフラを担う~ 第59次南極地域観測隊員インタビュー 越冬隊員 船木 覚 オーロラと昭和基地(第59次越冬隊・船木隊員撮影) 日立製作所は南極観測事業に大きな貢献をしてきました。2009年に就役した南極観測船・砕氷艦しらせは世界トップクラスの砕氷能力をもち、30,000馬力のディーゼル電気推進システムで氷厚1.5メートルまで連続砕氷航行が可能ですが、日立製作所は

シリーズ「日本の南極地域観測事業を支える企業たち」第4回

ヤンマー株式会社~昭和基地の電力を守るディーゼル発電機~ 第59次南極地域観測隊員インタビュー 越冬隊員 尼嵜 慶次 昭和基地でディーゼル発電機を点検する尼嵜隊員(2018年3月) ヤンマー株式会社は、エネルギー有効活用の先駆者として、ディーゼルエンジン、建設機械、農業機械、空調、発電システム等の分野で社会に貢献しています。このエネルギー有効活用技術を生かしたヤンマー製ディーゼル発電機が1984年