コウテイペンギンのヒナが1万羽近く死んでしまった…その原因にせまる!
- 2023.08.29
- 極地研究振興会 Webマガジン
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\新シリーズ/
南極観測隊元隊長と読む「極地のニュース」
南極観測隊元隊長が、話題となっている極地関連のニュースを解説します
※画像はクリックすると拡大します。
✅ 南極で起きた異常事態
2023年8月下旬、イギリスの研究者たちが「南極の海氷がとけ、1万羽ちかくのコウテイペンギンのヒナが死んだ可能性がある」という驚きの報告を論文を、科学誌ネイチャー(電子版)に掲載して話題となりました。
南極のベリングスハウゼン海に存在する、コウテイペンギンの5つのコロニーのうち4つで、2022年の南極の春に巣立ちできたヒナが1羽もいなかったことが報告されたのです。
✅ コロニーとは?
コロニーとは「集団繁殖地」のこと。
コウテイペンギンは、産卵や子育て、羽の生え変わりである換羽を行うため安定した海氷が必要なのです。
コウテイペンギンだけではなく、ほとんどのペンギンがコロニーをつくります。「ルッカリー」と呼ばれることもあります。
コロニーの様子(写真はオウサマペンギンです。コウテイペンギンととても似ていますが、見分け方わかりますか?)
✅ なぜこんなことが起きたのでしょう?
これは、南極の海氷が減少したことが原因とされています。
温暖化の影響で、南極の海氷がとけてヒナが溺れたか凍死してしまったことが考えられます。
成鳥となったペンギンの羽は水をはじくが、ヒナはふわふわした産毛だけで水をはじかず、換羽するまで海に入ることはできません。つまり防水機能がないのです。
以前より、南極の海氷は温暖化の影響でどんどん減少していることが問題となっていましたが、その影響が直接でた結果となりました。
✅ まめちしき
コウテイペンギンに限らず、ペンギンのヒナたちはふわふわの産毛をしています!
✅ 温暖化の影響は、海氷の減少だけではない!
温暖化が進むと、降るはずだった雪が雨に変化してしまうこともあります。雨は、ふわふわの羽毛を直接ぬらしてしまうので、体温を奪い、凍えて死んでしまいます…
別の研究では、今世紀までに90%を越えるコウテイペンギンの繁殖地が失われると予測されており、絶滅の危機にさらされています。
私たち人間にできること、しなくてはいけないことは何でしょうか?
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みなさんは南極・北極についてどんなことを知っていますか?
南極・北極は、温暖化が他の地域より急速に進んでいて、地球の未来を考えるための大切な場所になっています。
温暖化は人間の活動が主な原因とされています。私たちの生活が、遠く離れた場所に住むペンギンたちの命を奪うことにもつながっている可能性があるのです。
お友達や家族と一緒に、SDGsを実現するために何ができるのか考えてみませんか?