2020.04.24メルマガ第21号が発行されました

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■メールマガジン第21号が発行されました。
http://kyokuchi.or.jp/?page_id=10716

○メールマガジン第21号内容

1番目の記事は、国立極地研究所特任教授の山内恭さんの「南極で気温20.75℃は温暖化か?」です。今年2月9日に南極半島東側のシーモア島で歴代南極最高気温17.5℃を超える20.75℃が観測され、新聞などで大きく報道されましたが、これが温暖化の結果なのか、分かりやすく解説します。

2番目の記事は、シリーズ「南極・北極研究の最前線」第15回で、国立極地研究所助教の國分亙彦さんの「ウェッデルアザラシの越冬生態の調査」です。第58次南極地域観測隊の越冬隊に参加し、小型海洋観測データロガーを8頭のウェッデルアザラシに装着し、得られたデータをリアルタイムで衛星経由で受信し、ウェッデルアザラシの冬季の驚くべき生態を初めて明らかにしました。さまざまな専門の越冬隊員のサポートのお陰でこの調査が成功したと語るラストが感動的です。

3番目の記事は、国立極地研究所国際北極環境研究センター特任教授の兒玉裕二さんの「国立極地研究所のニーオルスン新観測基地が完成」です。国立極地研究所は1991年にノルウェーのスバールバル諸島ニーオルスンに観測基地を設置し、北極域の研究を進めてきましたが、今回、新観測基地が完成し、日本の北極研究の拠点としての活躍が期待されています。

4番目の記事は、(公財)日本極地研究振興会常務理事の福西浩さんの「南極・北極から地球の未来を考えるSDGs/ESD事業のご紹介」です。SDGs(持続可能な開発目標)は、国連が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標で、我が国でも経済界や地域社会などすべての分野でSDGsへの取り組みが始まっています。SDGs達成のためにはそれを担う人材の育成が緊急の課題となっており、日本極地研究振興会は新たに「SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業」を始めました。その事業で開発した中学生用の教材を紹介します。

5番目は、東京海洋大学海洋環境科学部門准教授の茂木正人さんの「東京海洋大学『海鷹丸』による南大洋観測航海」です。海鷹丸には毎年40名程度の航海・操船を学ぶ実習生が乗船しています。2020年1月8日に西オーストラリア・フリマントルを出港し、タスマニア・ホバートに戻ってくる28日間の航海で、植物・動物プランクトン、イカ類、魚類、海鳥の調査を実施しました。実習生の助けを借りた調査の様子を語ります。

6番目の記事は、第61次南極地域観測隊・越冬隊長の青山雄一さんの「第61次隊、越冬はじめました」です。2020年1月2日に昭和基地入りしてから約1ヶ月間の夏期建設作業、2月1日の越冬交代式、その後の越冬隊だけの生活の様子を語ります。今年は例年になく積雪が少ないそうですが、これからいよいよ厳しい冬季を迎えます。

7番目の記事は、(公財)日本無線協会職員の小林正幸さんの「昭和基地のアマチュア無線局」です。小林さんは第25次越冬隊(1984年)と第46次越冬隊(2005年)に通信担当で参加し、アマチュア無線でも活躍しました。この経験を生かして現在も日本各地のアマチュア無線大会でアマチュア無線の楽しさを知ってもらう活動を続けています。

8番目の記事は.シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」第21回で、「内陸の前進拠点・みずほ基地」です。元国立極地研究所技術職員の石沢賢二さんが、日本隊として初めての内陸拠点である「みずほ基地」がどのようにして建設され、維持されたのかを紹介します。

9番目の記事は.シリーズ、「南極観測と朝日新聞その19回」で、「韓国からのオブザーバーと同室で南極に向かう」です。元朝日新聞社会部記者の柴田鉄治さんが第47次南極地域観測隊の夏隊(2005~2006年)に参加し、40年ぶりに70歳で南極を訪問したときのエピソードです。

○メールマガジン第21号目次

 1.南極で気温20.75℃は温暖化か?

  山内 恭(国立極地研究所特任教授) 

2.シリーズ「南極・北極研究の最前線」第15回

      ウェッデルアザラシの越冬生態の調査

  國分亙彦(国立極地研究所助教 第58次南極地域観測隊越冬隊員)

3.国立極地研究所のニーオルスン新観測基地が完成

  兒玉裕二(国立極地研究所教授)

4.南極・北極から地球の未来を考えるSDGs/ESD事業のご紹介

  福西 浩(公益財団法人 日本極地研究振興会 常務理事)  

5.東京海洋大学「海鷹丸」による南大洋観測航海

  茂木正人(東京海洋大学 海洋環境科学部門准教授)

6.第61次隊、越冬はじめました

  青山雄一(第61次南極地域観測隊 越冬隊長) 

7.昭和基地のアマチュア無線局

  小林正幸((公財)日本無線協会、第25次、第46次南極越冬隊員)

8.シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」第21回

      内陸の前進拠点・みずほ基地

  石沢 賢二(元国立極地研究所技術職員)

9.シリーズ「南極観測隊エピソード」第19回

      南極観測と朝日新聞その19

      韓国からのオブザーバーと同室で南極に向かう

  柴田鉄治(元朝日新聞社会部記者)

■「南極・北極から地球の未来を考えるSDGs/ESD事業」のご案内

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、持続可能な世界を実現するために経済、環境、社会、教育などのあらゆる課題の解決を目指しており、我が国でも経済界や地域社会などほぼすべての分野でSDGsへの取り組みが始まっています。SDGs達成のためにはそれを担う人材の育成が緊急の課題となっており、文部科学省は新規事業として2019年度からユネスコ活動費補助金事業として、「SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業」を始めました。

本財団がこのSDGs/ESD推進事業に申請しました「南極・北極から地球の未来を考えるESD副読本と学習プログラムの開発」が2019年度事業として採択になり、ワーキンググループを立ち上げ、国立極地研究所と連携して事業を進めています。

地球温暖化はかつて地球が経験したことがない速さで進行しており、持続可能な開発目標(SDGs)達成の担い手には、地球環境の未来像を予測して未解明の問題に果敢に挑戦する行動力が要求されます。南極・北極域は氷床や海氷の融解によって温暖化が他の地域よりも2~3倍の速度で進行しており、地球環境の未来像を考える教材として最適な場所です。

本事業は、南極・北極での研究・教育活動の最新の成果をもとに、ESD副読本「南極・北極から地球の未来を考える」とそれを用いた授業を実践する学習プログラム冊子を、小学生高学年用と中学生用の2種類作成します。

完成したESD副読本と学習プログラムを教育委員会(都道府県、市町村)およびESD活動支援センターと連携して全国の小・中学校に提供します。また授業実践のために極地経験者を外部講師として派遣します。

■「南極・北極から地球の未来を考えるSDGs/ESD事業」へのご支援のお願い

本事業で開発しますSDGs/ESD教材を全国の小中学校に提供するために皆様の暖かいご支援をよろしくお願い申し上げます。ご寄付は当財団のホームページの「ご寄付のお願い」( http://kyokuchi.or.jp/?page_id=33 )からお願いします。寄付は税法上の優遇措置が適用され、個人につきましては所得税の控除が、法人様の寄付につきましては法人税の控除が受けられます。

また、当財団の会員にご加入くださり、ご支援くださいますようお願い申し上げます。会員入会は当財団のホームページの「入会のご案内」( http://kyokuchi.or.jp/?page_id=31 )からお願いします。

 

■「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」開催申し込みのご案内

2018年度から新たに小・中学生向けの「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」事業を始めました。この事業は JKA 補助事業「青少年の健やかな成長を育む活動」に採択され、事業費の半分の支援を受けています。2019年度もこの事業を継続して実施しています。

教材として冊子「南極・北極から学ぶ地球環境変動」、南極・北極地図、DVD「南極・北極から学ぶ地球の温暖化」を制作しました。これらの教材を用いて南極・北極で活動した経験がある様々な職種の専門家が講師となって全国の小・中学校で教室を開催します。持続可能な開発目標(SDGs)達成の担い手を育てる教育(ESD)に寄与する先導的な取り組みとして推進します。

この教室の開催を希望される方はホームページのバナー「地球環境変動」からお申し込みください。

http://kyokuchi.or.jp/?page_id=8115

 

■「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」へのご支援のお願い

「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」を全国で開催していくためには、教材費や講師派遣費用として毎年500万円程度が必要となります。皆様の暖かいご支援をよろしくお願い申し上げます。ご寄付は当財団のホームページの「ご寄付のお願い」( http://kyokuchi.or.jp/?page_id=33 )からお願いします。寄付は税法上の優遇措置が適用され、個人につきましては所得税の控除が、法人様の寄付につきましては法人税の控除が受けられます。

また、当財団の賛助会員にご加入くださり、ご支援くださいますようお願い申し上げます。賛助会員入会は当財団のホームページの「入会のご案内」( http://kyokuchi.or.jp/?page_id=31 )からお願いします。

 

■南極と北極の総合誌「極地」110号(オールカラー印刷)が2020年3月に発行されました。特集は、「やまと隕石発見から50年」です。第10次南極地域観測隊がやまと山脈南方の裸氷帯で初めて隕石を発見したのが1969年です。それから50年。国立極地研究所には現在17,000個以上の南極隕石が保管されています。これらの隕石を用いた研究は惑星物質科学の発展に多大な貢献をもたらしました。最近では小惑星探査機「はやぶさ」がイトカワからサンプルリターンした岩石と南極隕石を比較した研究で、南極隕石の大部分は小惑星からやってきたことが明らかになりました。この特集では、8人の著者が、南極隕石発見の歴史、隕石探査方法、研究成果、やはぶさ計画との連携について紹介します。

特集目次:

1.はやぶさ計画と南極隕石 

  野口 高明(九州大学教授)

2.やまと隕石の発見1969年    

  吉田 勝(ゴンドワナ地質環境研究所長)

3.やまと隕石発見から50年

  白石 和行(国立極地研究所名誉教授)

4.極地の宇宙塵探査について      

  矢田 達(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)

5.国立極地研究所での南極隕石のキュレーションについて 

  山口 亮(国立極地研究所准教授)

6.セール・ロンダーネ山地での日本とベルギー合同による隕石探査

  三河内 岳(東京大学教授)

7.韓国の隕石探査と日韓協力      

  長尾 敬介(韓国極地研究所客員研究員)

8.南極隕石と矢内さん     

  奈良岡 浩(九州大学教授)

「極地」の定価は「本体1000円+税」です。アマゾンまたは(公財)日本極地研究振興会のホームページからご購入ください。

http://kyokuchi.or.jp/?page_id=3031#kyokuchi

■新規会員募集

http://kyokuchi.or.jp/?page_id=31

当財団は、平成25年4月の公益財団法人への移行を機に、“南極・北極域を活動対象とした唯一の公益法人”として、一般向け南極と北極の総合誌「極地」の発行、メールマガジンの発行、最新の南極・北極地図の刊行、「地球環境変動を学ぶ南極・北極教室」の開催、「南極・北極から地球の未来を考えるSDGs/ESD事業」の推進、講演会シリーズの開催、各種イベントの開催、南極観測船・砕氷艦しらせ一般公開での広報活動など広範囲な活動を展開しています。

これらの活動は会員の皆様のご協力とご支援によって行われています。当財団の活動にご理解とご賛同をいただき、ぜひ入会くださるようお願い申しあげます。

会員には維持会員と賛助会員の種別があります。

〇維持会員 年会費 4,000円

当財団の事業目的にご賛同し、維持会費を納める個人で、年2回発行の定期刊行物「極地」の配布、メールマガジンの配付、南極地図・北極地図や各種冊子の割引販売、講演会等の情報提供等のサービスがあります。会費は会誌「極地」の発行や各種情報提供サービスに使用します。

〇賛助会員 年会費(1口年額)10,000円

当財団の事業目的にご賛同し、賛助会費を納める法人または個人で、維持会員と同じサービスの提供があるほかに、会費は当財団への寄付金として扱い、税法上の優遇措置が適用され、個人につきましては所得税の控除が、法人様の寄付につきましては法人税の控除が受けられます。会費は研究者助成、教育者助成、研究成果普及、小中高教育支援、各種情報提供サービス等に使用します。

〇入会時の特典

(1)入会時に南極出版物などの進呈

(2)年2回発行の定期刊行物「極地」の無料配布

(3)財団が不定期に発行する地図、印刷物などの無料配布ならびに財団発行の単行本、写真集などの割引販売

(4)当財団のメールマガジンの配布サービス

(5)南極・北極に関する講演会、シンポジウム、トピックスなどの最新情報の提供

入会のお申し込みは、当財団のホームページのバナー「入会のご案内」からお願いします。

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