第9回 メルマガ

シリーズ「南極観測隊エピソード」 第8回

南極観測と朝日新聞その8 4年間中断して新造船「ふじ」で再開へ 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治  日本の南極観測事業は、観測船「宗谷」の時代が1次隊から6次隊まで続き、「宗谷」の老朽化でいったん中断し、昭和基地は第5次越冬隊によって戸締りをされ、無人の状態に置かれていた。  その時は、再開されるかどうか決まってなかったが、このまま南極観測をやめてしまうのは残念だという声が各方面から沸き上がり、新し

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第9回

観測隊の内陸行動を支えた雪上車 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1. はじめに  南極大陸行動での命の綱は、雪上車です。日本隊は、かつて小型航空機を越冬運用し内陸でも活用したが、緊急事態が起きたとしても天候に左右されるため、現場に急行できるものではありません。そのため、行動中の最終的な拠り所は雪上車でした。いったん雪上車のキャビンに入れば、とりあえず強風と寒さから身を守ることができ

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第10回

1998年3月25日 南極プレート内巨大地震周辺の海底構造 国立極地研究所教授 野木 義史  地震は、日本人が身近に感じる現象である。プレートテクトニクスの概念では、日本はプレートが沈み込む境界部の活動的な縁辺部に位置する。プレート・テクトニクスとは、地球の表面がプレートと呼ばれる何枚かの固い岩板で構成され、このプレートがマントル対流によって互いに動いているとする学説である。また、地球の表層は、大

シリーズ「南極観測隊員が語る」第7回

隊員たちに喜ばれる料理を作りたい 第58次南極地域観測隊 越冬隊員 調理担当 青堀 力  内村 光尚 青堀 力さん 内村 光尚さん インタビューは2016年10月27日に国立極地研究所(東京都立川市)の南極観測センターで行いました。 インタビュアー:福西 浩 福西 本日は第58次南極観測隊で調理を担当される青堀さんと内村さんに、南極を目差す動機などいろいろとお伺いしたいと思います。内村さんは今回が

シリーズ「南極にチャレンジする女性たち」第4回

南極で湖の生態系調査に挑む 第58次南極地域観測隊 越冬隊員 田邊 優貴子 2015年に参加したスペイン隊のバイヤーズ半島キャンプ地にて インタビューは昨年11月25日に、日本極地研究振興会の立川事務所で行いました。 インタビュアー:福西 浩 福西 南極に向けて出発する直前のお忙しい時期にインタビューのための時間を割いてくださりありがとうございます。田邊さんは若手女性研究者として大活躍されています

シリーズ「極地からのメッセージ」 第8回

秘境探検から学んだこと DACグループ代表 石川 和則 私は100億円企業の広告会社を経営し、「冒険家」とも言われている。60歳を過ぎてから歩いて北極点、南極点に到達した。2014年には北米最高峰デナリにも登頂した。自身の挑戦だけではなく、経営しているDACグループ創立50周年記念事業として世界七大陸最高峰を社員たちがリレー方式で挑戦する「セブンサミッツプロジェクト」を提案した。今年1月には、第6