メールマガジン 創刊号(2015年4月1日発行)

急変する北極
~GRENE 北極気候変動研究事業(2011ー2015年度)~

ーシリーズ「南極・北極研究の最前線」第1回ー 山内 恭(国立極地研究所特任教授) —GRENE 北極気候変動研究事業(2011—2015年度)— 近年、北極は地球温暖化に伴う夏の海氷域の急減、地上気温の急上昇、氷河の縮小、永久凍土の融解など、様々な気候・環境の変化が起こり、単に科学的な側面ならず、社会的にも大いに注目される様になってきた。図1に、地球全体の気温の変化と併せて北極の気温変化を示してい

飲料水(その1)

ーシリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」第1回ー 石澤 賢二(国立極地研究所極地工学研究グループ)   地球上の淡水は南極に集中 私たちの地球にはおよそ14億km3の水があると言われています。そのうち、約97%が海水で淡水は3%しかありません。淡水の内訳は、図1に示すとおり、氷河・氷床が約70%で断然多く、そのほとんどが南極大陸に存在する氷です。地下水が30.1%、私たちがふだん飲料水

グリーンランド極北域およびカナダ極北域における、観測拠点設営の提唱

ーシリーズ「極地からのメッセージ」第1回ー 犬ぞり北極探検家 山崎 哲秀 一笑せずに耳を傾けて頂きたい。「グリーンランド極北域およびカナダ極北域に、我が国における観測拠点を設営したい」 この目標が確固たるものになったのは、第46次南極地域観測隊に越冬隊員として参加させて頂いてからだった。日本の南極観測が、世界でもトップクラスの調査 として大体的に実施されているのをこの目でみて、その歴史と規模の大き

南極半島の観光クルーズに参加して

ーシリーズ「極地の観光」第1回ー 国立極地研究所  佐藤 夏雄 南極半島の観光クルーズ 講師として参加してきましたので、その概略を報告します。クォーク・エクスペディションズ社が運行する耐氷観光船「オーシャン・ダイヤモンド号」を読売旅 行がチャーターしての10日間の船旅です。日程は2015年1月21日午後にアルゼンチン南端のウシュアイア港を出航し、1月31日早朝に帰港する便で す。日本人の乗船者は、

南極、フロンティアはこれだ!

ーシリーズ「南極・北極観測を応援する議員たち」第1回ー 衆議院議員 谷垣 禎一 インタビュアー:福西 浩 福西 谷垣先生は南極観測隊員・「しらせ」乗組員壮行会に毎年必ず出席され、南極に旅立つ隊員・乗組員を励ましてくださっています。また2代目しらせ建造のために ご尽力いただきました。こうしたことから南極には何か特別な想いをお持ちのように私たちは感じています。そこで最初にお聞きしたいのですが、南極に興

メールマガジン創刊号インタビュアー

インタビュアー:福西 浩プロフィール 東北大学名誉教授、理学博士。東京大学理学部卒、同理学系大学院博士課程修了後、米国ベル研究所、国立極地研究所を経て東北大学教授として宇宙空間物理学分野の発展に努める。南極観測隊に4度参加し、第22次隊夏隊長、第26次隊越冬隊長を務める。2007年から4年間、日本学術振興会北京研究連絡センター長を務め、日中学術交流の発展に尽力する。   佐藤夏雄プロフィ