南極

8/13ページ

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第9回

観測隊の内陸行動を支えた雪上車 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1. はじめに  南極大陸行動での命の綱は、雪上車です。日本隊は、かつて小型航空機を越冬運用し内陸でも活用したが、緊急事態が起きたとしても天候に左右されるため、現場に急行できるものではありません。そのため、行動中の最終的な拠り所は雪上車でした。いったん雪上車のキャビンに入れば、とりあえず強風と寒さから身を守ることができ

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第10回

1998年3月25日 南極プレート内巨大地震周辺の海底構造 国立極地研究所教授 野木 義史  地震は、日本人が身近に感じる現象である。プレートテクトニクスの概念では、日本はプレートが沈み込む境界部の活動的な縁辺部に位置する。プレート・テクトニクスとは、地球の表面がプレートと呼ばれる何枚かの固い岩板で構成され、このプレートがマントル対流によって互いに動いているとする学説である。また、地球の表層は、大

シリーズ「南極観測隊員が語る」第7回

隊員たちに喜ばれる料理を作りたい 第58次南極地域観測隊 越冬隊員 調理担当 青堀 力  内村 光尚 青堀 力さん 内村 光尚さん インタビューは2016年10月27日に国立極地研究所(東京都立川市)の南極観測センターで行いました。 インタビュアー:福西 浩 福西 本日は第58次南極観測隊で調理を担当される青堀さんと内村さんに、南極を目差す動機などいろいろとお伺いしたいと思います。内村さんは今回が

シリーズ「南極にチャレンジする女性たち」第4回

南極で湖の生態系調査に挑む 第58次南極地域観測隊 越冬隊員 田邊 優貴子 2015年に参加したスペイン隊のバイヤーズ半島キャンプ地にて インタビューは昨年11月25日に、日本極地研究振興会の立川事務所で行いました。 インタビュアー:福西 浩 福西 南極に向けて出発する直前のお忙しい時期にインタビューのための時間を割いてくださりありがとうございます。田邊さんは若手女性研究者として大活躍されています

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第8回

南極昭和基地での太陽エネルギー利用 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1. はじめに  昭和基地は南緯69度にあり、太陽高度も最大で40度と低いため、エネルギーとしての太陽光利用はあまり期待できないと思われがちです。しかし、年間の積算日射量は、日本国内と同等であり、夏期には東京の約3倍の量があります(図1)。 図1 昭和基地と東京の全天日射量  南極で日射量が大きい理由として第一にあ

シリーズ「南極観測隊員が語る」第5回

第58次南極地域観測隊 越冬隊員 一般研究観測担当 鈴木 裕子 インタビュアー:福西 浩 インタビューは2016年10月25日に国立極地研究所(東京都立川市)の南極観測センターで行いました。 福西 最初に子供時代のことが知りたいのですが、出身はどこですか。 鈴木 新潟県出身で、現在は新潟市に編入されているのですが、昔は西蒲原郡と呼ばれていた所です。小学校は木山小学校という、ちっちゃな、全学年1クラ

シリーズ「南極観測隊員が語る」第6回

第58次南極地域観測隊 越冬隊員 環境保全担当 葛西 尚 インタビュアー:福西 浩 インタビューは2016年10月25日に国立極地研究所(東京都立川市)の南極観測センターで行いました。 福西 今回、南極観測隊に応募されるきっかけは何だったですか。 葛西 応募するきっかけは、インターネットでいろいろなホームページを見ていた時、たまたま自分と同じ消防職員で南極に行った方のホームページにヒットしました。

シリーズ「南極観測隊エピソード」 第7回

南極観測と朝日新聞その7 4次越冬の福島伸隊員の遭難死 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治  生きていたタロ、ジロを発見した第3次隊の活動をピークに、南極観測事業に対する国民の関心もしだいに冷めてきて、朝日新聞社も特派員を同行させることを、第4次隊をもって一旦打ち切り、第5次、第6次隊には同行記者を送らなかった。  第4次隊に送り込まれた朝日新聞の同行記者は犬養堯記者で、優れたセンスを持った名文記者と

シリーズ「南極・北極研究の最前線」 第9回

日本ベルギー共同隕石探査 国立極地研究所助教 今栄 直也 探査の概要  日本とベルギーとの共同隕石探査は、これまで、第51次夏隊 (2009-2010年)、BELARE (2010-2011年)、第54次夏隊 (2012-2013年)の3回実施され、合計1200個ほどの隕石採集に成功している。地圏研究グループが中心となりセールロンダーネ地域での地質・地形を主とする調査と隕石探査を第VII期(200

シリーズ「南極観測隊員が語る」第4回

第58次南極地域観測隊 越冬隊員 医療担当 大江 洋文  服部 素子 パキスタンカラコルムのバツーラ氷河で 米国ジョシュア・ツリー国立公園で インタビュアー:福西 浩 インタビューは2016年10月27日に国立極地研究所(東京都立川市)の南極観測センターで行いました。 福西 最初に、子供時代は何に興味があったのか、また、南極のことを考えたことがあったのか、その辺のことをお話しください。 大江 私は

1 8 13