飛島建設株式会社~昭和基地の夏の建設現場を担う~ 第59次南極地域観測隊 夏隊員 近藤一海 インタビュー 昭和基地管理棟前の19広場で 昭和基地では南極の夏に当たる12月から1月の期間に様々な建設作業が実施されます。しかし南極という特殊な場所であるために、建設機械や建設資材は限られており、作業員も建設作業の経験がない南極観測隊員としらせ乗組員に限られます。こうした厳しい制約の下で、安全に作業を進
南極観測と朝日新聞その13 7次隊の帰途にあったこと、その2 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治 昭和基地の再建を100%成し遂げ、帰途に就いた最初の隊員たちへのご褒美は、アデリー・ペンギンのルッカリー(生息地)見学だった。その2は、昭和基地の東隣り、300キロほど離れたところにあるソ連のマラジョージナヤ基地への訪問だった。 外洋に出た観測船「ふじ」がソ連基地の沖合に近づいたところで、「訪問したい
株式会社大原鉄工所~南極地域観測隊の雪上車を担う~ 第59次南極地域観測隊 越冬隊員 小島裕章 インタビュー 昭和基地で再会した大原鉄工所の小島裕章隊員(左:59次隊)と中西勇太隊員(右:58次隊) 大原鉄工所は国内唯一の雪上車メーカーとして南極地域観測隊が使用する内陸トラバース用の大型雪上車SM100Sや昭和基地周辺で使用する小型の雪上車を製造してきました。またそれらの雪上車を南極で運用するた
宮﨑好司艦長へのインタビュー 南極観測船・砕氷艦しらせは、毎年11月に南極に向けて東京港晴海埠頭を出港し、5か月間にわたって南極地域観測協力行動を実施しています。その任務は、昭和基地への人員と物資の輸送、野外観測支援、基地設営支援、海洋観測支援と多岐にわたります。厳しい南極の自然の中で安全にこれらの任務を遂行するために様々な創意工夫がなされてきました。第59次南極地域観測協力行動を終え、本年4月に
「水先案内人」北極海へ~ピースボートクルーズ乗船記 朝日新聞社会部 中山 由美 カナダ東岸近くを航海中、出会った氷山=7月8日 朝5時過ぎの成田空港。タクシーを降りると、妙な静けさに心がざわめいた。出発2時間前の余裕の到着……のはずだが、誰もいない。扉も閉まっている。警察官が近寄ってきた。「まだ開いてませんよ。あちらの扉から入れるかも」と誘導してくれた。出発ロビーに入ったものの無人で、カウンター
南極氷床変動と固体地球の変形,地球回転変動の関係 国立極地研究所助教 奥野淳一 固体地球にとって氷床や海水は,表層に存在する荷重(重し)と見ることができる.固体地球は,全く変形しない剛体ではなく,瞬間的な力源に対しては弾性的に,長い時間スケールにおよぶ力源には粘性的に変形する性質をもつ.この性質が,氷床変動や海水準変動にともなう表面質量の再分配によって,固体地球の多様な時空間スケールの変形を引き
南極観測を支える海上輸送 その1 南極・北極で活躍した耐氷船 前国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1.はじめに 南極観測を行うのに欠かせないのは、何といっても輸送です。観測の成否は輸送に掛かっているといっても過言ではありません。このシリーズではこれまで、雪上車・トラクター・橇による陸上輸送と飛行機・ヘリコプターによる航空輸送について記述してきましたが、海上輸送については触れていませ
NECネッツエスアイ株式会社~多目的衛星受信アンテナシステムを守る~ 第59次南極地域観測隊 越冬隊員 大石 孟 インタビュー 南極の西オングル島にて 今から30年前、直径11メートルの大型パラボラアンテナを持つ多目的衛星データ受信システムを昭和基地に建設するプロジェクトが認められ、日本電気株式会社(NEC)がこのシステムを開発し、1989年1月に昭和基地に設置されました。それ以来、NECグルー