サイエンスシリーズ「オーロラから宇宙環境を知る」第3回
地磁気の永年変化と南北磁極の移動福西 浩(東北大学名誉教授) 太陽風から地球を守る磁気圏 地球は巨大な磁石になっており、この磁石が太陽コロナから吹き出す太陽風 (超音速のプラズマの流れ)を守る磁気シールドになっています。太陽風は地球の磁場を閉じ込めて磁気圏を作り出します。磁気圏は、太陽方向は圧縮された形になり、反対側は尾を引いた形になっています(図1)。 この磁気圏の中でオーロラ粒子(主に高エネ
日本極地研究振興会のWEBマガジン
地磁気の永年変化と南北磁極の移動福西 浩(東北大学名誉教授) 太陽風から地球を守る磁気圏 地球は巨大な磁石になっており、この磁石が太陽コロナから吹き出す太陽風 (超音速のプラズマの流れ)を守る磁気シールドになっています。太陽風は地球の磁場を閉じ込めて磁気圏を作り出します。磁気圏は、太陽方向は圧縮された形になり、反対側は尾を引いた形になっています(図1)。 この磁気圏の中でオーロラ粒子(主に高エネ
宇宙から見たオーロラと地上から見たオーロラ福西 浩(東北大学名誉教授) 宇宙からみたオーロラ オーロラは高度約100~500kmの非常に希薄な大気が発光する現象です。最もよく見られるオーロラは、酸素原子が発光する緑色のオーロラと赤色のオーロラです。緑色オーロラの発光領域は高度約100~250kmで、それより高い高度は赤色オーロラの発光領域です。国際宇宙ステーション(ISS)の高度は約400kmな
太陽黒点11年変動とオーロラ活動 福西 浩(東北大学名誉教授) オーロラは、地上約100kmよりも高い宇宙空間と呼ばれる領域で希薄な大気が輝く現象です。地上付近の大気圧は1気圧ですが、高度が高くなるにつれて大気圧は急激に下がり、高度100kmでは地上の300 万分の1まで下がります。このような希薄な大気では大気中の酸素分子(O2)や窒素分子(N2)は太陽紫外線で酸素原子(O)や窒素原子(N)に分