観測隊

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シリーズ「日本の南極地域観測事業を支える企業たち」第2回

KDDI株式会社~昭和基地のインテルサット衛星通信とLANを守る~ 第59次南極地域観測隊員インタビュー 越冬隊員 齋藤 勝 南極・昭和基地のインテルサット衛星通信設備 (写真は第56次隊・田村勝義隊員提供) 南極の昭和基地と1万4千キロ離れた日本との通信手段は当初は短波通信しかなく、わずかな情報しか送ることができませんでした。その後、第29次隊(1988年)からインマルサット衛星通信が利用できる

シリーズ「日本の南極地域観測事業を支える企業たち」第1回

ミサワホーム株式会社~昭和基地で建物をつくる~ 第59次南極地域観測隊員インタビュー 夏隊員 坂下 大輔、後閑 洋希 越冬隊員 佐藤 啓之 南極・昭和基地の中心部(第57次南極観測隊・梅津正道隊員提供) ミサワホームは第10次南極観測隊用の第10居住棟を1968年に直接受注して以来今日に至るまで、南極の厳しい自然環境に耐える木質接着複合パネルの建物を提供し続けてきました。その実績は累計 36 棟、

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第12回

内陸氷床上基地の高床式建物とその維持 -その1 雪による埋没との闘い- 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1.はじめに  南緯60度以南の南極圏で通年越冬し観測活動を実施している基地は、現在43か所あります(2017年3月末)。そのほとんどは、南極大陸沿岸や近傍の島の露岩に位置し、大陸内部の雪面上にあるのは、ほんのひと握りに過ぎません。主なところでは、米国が運用するアムンセン・スコッ

シリーズ「南極観測隊エピソード」第11回

南極観測と朝日新聞その11 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治  私が同行記者として参加した再開第1次、7次隊の報告を続ける。新しい砕氷船「ふじ」が昭和基地から約50キロの氷盤に接岸したとき、500羽ほどのペンギンの出迎えを受けたところまで前号で記した。その後の7次隊の様子を続けたい。 昭和基地は無事、戸をこじ開けて入る  接岸した「ふじ」から昭和基地へ1番機が飛んだ。シコルスキー61型の大型ヘリに乗

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第11回

南極での小型航空機の利用 -その2 南極観測再開以降- 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1.はじめに 前回は、南極で活躍した第6次隊までの航空機について説明しました。表1はそれをまとめたものです。 第1次隊では、朝日新聞社所有の機体を借用しました。第2次隊のビーバー機が、第1次越冬隊員を「宗谷」に収容した感動的な映像は、皆さんも見たことがあるかも知れません。同時に15頭の犬が昭和基

シリーズ「南極観測隊エピソード」第10回

南極観測と朝日新聞その10 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治 砕氷船「ふじ」を新造して、4年間の空白を経て再開された日本の南極観測事業は、「宗谷」時代とはまったく変わった「新時代」の幕開けだった。ひと言でいえば、「学術探検」の時代から「科学観測」の時代に入ったのである。 その再開第1次の、7次隊の同行記者に選ばれた私を乗せて、「ふじ」は最初の寄港地、オーストラリアのフリーマントル港に着いたところまで

シリーズ「南極観測隊エピソード」 第9回

南極観測と朝日新聞その9 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治 新観測船「ふじ」で南極観測が再開!  1965年11月8日の東京港は、新観測船「ふじ」が4年ぶりに南極に向かう出港式に大勢の人たちが詰めかけ、大変な賑わいだった。同行記者に選ばれた私の見送りにも、新婚2か月の妻をはじめ、両親や兄弟姉妹、それに多くの友人たちの姿もあった。  やがて、私は船上に、見送りの人たちは岸壁に、と分かれ、テープの両端を

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第10回

南極での小型航空機の利用 -スコットの係留気球から「宗谷」搭載のセスナ機まで- 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1. はじめに  南極での探検や科学観測活動をするためには、何と言っても人員や物資の輸送がいちばん大事です。海には海氷が立ちはだかり、通常の船では太刀打ちできず、砕氷船が必要です。陸地では特殊な雪上車や橇が欠かせません。ところが、空に目を移すと、気温が低いだけで、通常の航

シリーズ「南極観測隊エピソード」 第8回

南極観測と朝日新聞その8 4年間中断して新造船「ふじ」で再開へ 元朝日新聞社会部記者 柴田鉄治  日本の南極観測事業は、観測船「宗谷」の時代が1次隊から6次隊まで続き、「宗谷」の老朽化でいったん中断し、昭和基地は第5次越冬隊によって戸締りをされ、無人の状態に置かれていた。  その時は、再開されるかどうか決まってなかったが、このまま南極観測をやめてしまうのは残念だという声が各方面から沸き上がり、新し

シリーズ「南極観測隊の生活を支える技術」 第9回

観測隊の内陸行動を支えた雪上車 国立極地研究所極地工学研究グループ 石沢 賢二 1. はじめに  南極大陸行動での命の綱は、雪上車です。日本隊は、かつて小型航空機を越冬運用し内陸でも活用したが、緊急事態が起きたとしても天候に左右されるため、現場に急行できるものではありません。そのため、行動中の最終的な拠り所は雪上車でした。いったん雪上車のキャビンに入れば、とりあえず強風と寒さから身を守ることができ

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