研究

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研究・教育助成のご案内

2021年度の研究・教育助成金申請を当財団の「助成金交付規程」に従って下記の要領で受け付けます。助成は、海外での国際会議や学会参加、現地調査活動、国際会議の国内開催、研究成果の普及・アウトリーチ活動、青少年教育など、極地の研究・教育の発展に資する活動を対象とします。申請課題の採否は「独創性」、「計画性」、「発展性」、「必要性」の観点から、財団に置かれた選考委員会の議を経て、理事会で決定します。助成

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第14回

ウェッデルアザラシの越冬生態の調査 國分亙彦(国立極地研究所助教 第58次南極地域観測隊越冬隊員) 高次捕食動物と南極の海洋環境  私は58次越冬隊員として2016年12月から2018年2月まで昭和基地に滞在してウェッデルアザラシの生態を調査してきた。生物分野の隊員が昭和基地で越冬観測をするのは稀であり、今回は45次隊以来、13年ぶりである。冬は一般的に生物の活動性が低下する時期であり、この時期を

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第14回

スリランカと昭和基地周辺域(リュツォ・ホルム岩体)の地質学的関連性 北野一平(九州大学大学院比較社会文化研究院 特任助教)  インド洋上の熱帯島国であるスリランカは、現地語で「光り輝く島」という意味でその名の通り宝石の産地として有名である。そのスリランカから南西へ約9000 km離れた東南極昭和基地周辺でも、スリランカと類似する岩石が露出している。これは、約6.5–5.0億年前に南米、アフリカ、マ

シリーズ「極地にチャレンジする大学院生たち」第2回

海氷下における魚類の行動・生態の解明 浅井咲樹(第60次南極地域観測隊 夏隊同行者 大学院生) 昭和基地前の海氷にて(2019年2月)  初めての南極は一言で言い表すと「知らない世界」であった。一面を氷に閉ざされた海、水族館や動物園でしか見たことがない野生の動物たち、どれをとっても新鮮で胸を躍らせる景色が広がっていた。今回はJARE60の夏隊同行者で参加したが、南極に行きたくても行けないという人が

シリーズ「極地にチャレンジする大学院生たち」第1回

南極で密かに息づくヒルガタワムシと南極観測隊に参加して感じたこと 和田智竹(第60次南極地域観測隊 夏隊同行者 大学院生) 南極大陸露岩域のスカルブスネスにて(2019年1月) 【大学院生が南極でどんなことをしているのかを知ることはこれから南極を目指す人にとって大変参考になるので】という文面と共に記事の執筆依頼を頂いた。これを念頭に、南極に行かれた方だけでなくこれから南極を目指す方も見るという事に

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第13回

新発見―オーロラ爆発でバン・アレン帯電子が高度65kmまで流入  片岡龍峰(国立極地研究所 准教授)  オーロラ爆発の際に、メガ電子ボルトの電子が地球に降り注ぎ、上空65 km付近というオーロラよりも低い高度の大気を電離させていることが、南極昭和基地のPANSYレーダーなどを用いた研究により明らかになりました。昭和基地を取り囲む1000km四方で同様のことが起こっていると仮定すれば30万キロワット

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第13回

南極氷床変動と固体地球の変形,地球回転変動の関係 国立極地研究所助教 奥野淳一  固体地球にとって氷床や海水は,表層に存在する荷重(重し)と見ることができる.固体地球は,全く変形しない剛体ではなく,瞬間的な力源に対しては弾性的に,長い時間スケールにおよぶ力源には粘性的に変形する性質をもつ.この性質が,氷床変動や海水準変動にともなう表面質量の再分配によって,固体地球の多様な時空間スケールの変形を引き

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第12回

中央ドローニングモードランド、基盤岩体区分について 琉球大学教育学部教授 馬場壮太郎  地殻は地球表層部に分布し、大陸地殻と海洋地殻に区分される。大陸地殻は主に花崗岩質岩(下部は玄武岩質)と海洋地殻は玄武岩質岩などの岩石からそれぞれ構成される。大陸地殻は30km-60kmの厚さがあり、面積では約41%を占める。地球誕生後の初期地殻は日本列島のような島弧地殻であったと考えられており、その後離合集散と

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第11回

南極における無人小型航空機(UAV)を用いた地形調査とその解析結果について 総合研究大学院大学 大学院生 川又 基人 1. UAVによる空撮と三次元形状計測技術  近年の地形学分野では無人小型航空機(Unmanned Aerial Vehicle:以下UAV)を使用した高解像度の地形情報取得が注目されている。UAVの搭載するカメラによる空撮と、撮影対象物の三次元形状を計測する技術(Structur

シリーズ「南極・北極研究の最前線」第10回

1998年3月25日 南極プレート内巨大地震周辺の海底構造 国立極地研究所教授 野木 義史  地震は、日本人が身近に感じる現象である。プレートテクトニクスの概念では、日本はプレートが沈み込む境界部の活動的な縁辺部に位置する。プレート・テクトニクスとは、地球の表面がプレートと呼ばれる何枚かの固い岩板で構成され、このプレートがマントル対流によって互いに動いているとする学説である。また、地球の表層は、大

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